新築の住宅購入でもらえる「補助金」知っておきたい優遇制度まとめ

新築の住宅を購入すると、さまざまな補助金を受けることができます。しかし、これらの制度は一般的に広く認知されているとは言いがたく、知らないで損をしている場合があるかもしれません。

なかには自分で交付申請書等の書類をそろえて手続きをしなくてはいけない制度もありますので、後で知らなかったと後悔しないように、この記事では優遇制度について詳しく解説していきます。
新築住宅を購入する際には、ぜひ役立ててください。

1.新築の住宅購入で申請すべき「補助金制度」

新築購入にあたって利用できる補助金制度は利用して、少しでも出費を減らしたいものです。どの補助金がもらえるのか、助成対象者の条件をきちんと確認して、期間内に申し込みましょう。

なお、補助金制度は新築以外にも、中古やリフォームなどの改修工事に対応しているものがありますが、ここでは新築住宅に限定して解説します。

【主な補助金制度】

  • すまい給付金
  • 地域型住宅グリーン化事業
  • ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業
  • 市町村補助金

1-1.すまい給付金

■ すまい給付金とは

消費税引き上げによる住宅購入者の負担増を軽減するために設立され、要件を満たす住宅の購入者に現金を給付する制度です。

実施期間は2014年4月〜2021年12月で、この期間内に引き渡しをされ入居を開始した住宅が対象となります。

消費税の引き上げによる負担の軽減が目的の制度なので、8%と10%で給付額が変わります。

■ すまい給付金の給付額

給付金額は消費税が8%時で最大30万円、10%時に最大50万円で、申請書類を受付後、約1.5〜2ヶ月で振込されます。

【すまい給付金額一覧】

消費税

年収

都道府県所得割額

給付金額

8%

425万円以下

6.89万円以下

30万円

425万円超〜475万円以下

6.89万円超〜8.39万円以下

20万円

475万円超〜510万円以下

8.39万円超〜9.38万円以下

10万円

10%

450万円以下

7.6万円以下

50万円

450万円超〜525万円以下

7.6万円超〜9.79万円以下

40万円

525万円超〜600万円以下

9.79万円超〜11.9万円以下

30万円

600万円超〜675万円以下

11.9万円超〜14.06万円以下

20万円

675万円超〜775万円以下

14.06万円超〜17.26万円以下

10万円

参考:国土交通省 すまい給付金「給付基礎額と都道府県民税の所得割額」

給付金額の算定には住宅の価格はまったく関係なく、年収が低い人ほど増税の影響が大きいため、多くの補助金を受け取れる仕組みになっています。

上記の給付金額一覧はあくまでも目安であり、正確には給付金額は下記の計算式で算出されます。

「給付基礎額」は都道府県民税の所得割額に基づいて計算され、所得割額に「持分割合」を掛けます。仮に夫婦共有名義であれば、夫2/3、妻1/3のように持分に応じて、夫婦でそれぞれ給付金を申請します。

■ 給付金を受けるための主な要件

  • 住宅の持ち主で実際に住んでいること
  • 収入が一定の基準以下であること(8%:510万円以下、10%:775万円以下)
  • 床面積が50㎡以上
  • 施工中に第三機関の現場検査を受けていること

■ 申請方法

住宅を購入した本人が申請者となります。共有名義の場合は、持分に応じて各自それぞれ申請しなくてはなりません。実際に住みだしてからでないと申請できませんが、引き渡しから1年以内(※当面の間、1年3ヶ月以内に延長)に申請する必要があります。

1-2.地域型住宅グリーン化事業(2018年実績)

■ 地域型住宅グリーン化事業とは

全国規模の住宅メーカーではなく、地場で営業している中小工務店が建てる一定水準をクリアした「木造住宅」に対して補助金が支払われる助成制度です。

グリーン化の名前からわかるとおり、省エネで環境に優しい住宅の増加と地域活性化が目的です。また、三世帯同居で若年子育て世帯を支え合う住環境の促進も目指しています。

施工する工務店1社ではなく、木材を供給する業者、木材を加工する業者、その他の建材メーカー、同規模の中小工務店がグループを組み、グループ単位で認定を受けて補助金を受け取る仕組みになっているのが大きな特徴です。

■ 対象となる住宅

対象となる住宅の具体的な種類は次の5つです。

  1. 認定長期優良住宅(長寿命型)
  2. 認定低炭素住宅(高度省エネ型)
  3. 性能向上計画認定住宅(高度省エネ型)
  4. ゼロ・エネルギー住宅(高度省エネ型)
  5. 認定低炭素建築物等一定の良質な建築物(優良建築物型)

■ 補助金額(上限額)

補助金額

地域材使用

三世帯同居対応

補助金合計

長期優良住宅

110万円※

20万円

30万円

160万円

認定低炭素住宅

性能向上計画認定住宅

ゼロ・エネルギー住宅

140万円※

190万円

認定低炭素建築物等

一定の良質な建築物

㎡あたり

1万円

※施工事業者の過去の補助金活用実績により、上限額が10~15万円程低く変更される場合があります。

補助金の申請は国土交通省から認可された建築グループ(工務店)が行いますので、物件購入者は特に何もする必要はありません。補助金相当額が還元されているかどうか、工事費の詳細を忘れずに確認しましょう。

※上記は2018年度の対象住宅・補助金額です。

1-3.ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(2018年実績)

■ ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業とは

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとは、通称ZEH(ゼッチ)と呼ばれる新しいエコ住宅の基準です。住まいの断熱性能を上げ、さらに太陽光発電などの設備を設けてエネルギーを発生させることで、1年間の消費エネルギー量をゼロ以下にする能力を持った住宅のことをいいます。

経済産業省は、「2020年までにハウスメーカーの注文戸建住宅の過半数をZEHにする」という目標を掲げています。その実現のために、ZEHを導入した住宅に対して、補助金を支給するのがZEH支援事業です。

■ 補助金額

  • ZEH支援事業:70万円/戸(蓄電システム設置の場合上限30万円
  •  ZEH+実証事業:115万円/戸(蓄電システム設置の場合上限45万円
  • 戸建分譲ZEH実証事業:ZEH支援事業もしくはZEH+実証事業に準じる
  • 先進的再エネ熱等導入支援事業:90万円/戸

補助金の申請は建築主が行い、対象となる住宅はZEH認定ビルダー/プランナーが新築する戸建住宅のみとなっています。

施工する住宅メーカーがZEHに認定されていなければ、残念ながらこの制度は利用できません。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの補助金を考えているのであれば、計画の段階でZEH認定業者かどうかを忘れずに確認しておきましょう。

※上記は2018年度の補助金額です。

■ 2019年度の補助金額試算

  • 基本及び必須要件部分:125万円
  • 蓄電システム:1kWhあたり2万円(上限30万円もしくは補助対象経費の1/3)
  • 太陽熱利用システム:液体式最大6㎡で20万円/空気式60万円

参考:経済産業省より 2019年3月4日時点 ※確定情報ではありません

1-4.市町村補助金

これまでに見てきた国の補助政策以外に、地方公共団体でもさまざまな形で住宅取得に対して補助をしてくれます。

人口減少や都市部への一極集中が問題視されている状況もあり、各自治体はなるべくたくさんの人に定住してもらいたいのです。

具体的な制度については最寄りの自治体と相談が必要ですが、主に下記のような補助制度があります。

  • 新築住宅に対する補助
  • 太陽光発電設置に対する補助
  • 長期優良住宅などに対する補助
  • 住宅取得補助による子育て支援
  • 移住に対しての住居取得費の補助

なお、太陽光システム設置やリフォームなどの改修工事費に対しての補助金制度もありますので、今後のために覚えておくといいでしょう。

住宅金融支援機構では、地方自治体の補助金制度と連携して、フラット35の金利を低く設定する「フラット35子育て支援型・地域活性化型」を用意していますので、こちらの利用も併せて検討してみてはいかがでしょうか。

※参考元:住宅金融支援機構 フラット35 子育て支援型・地域活性化型

2.新築の住宅購入で利用できる「減税制度」

これまでは住宅購入に対する補助金制度について解説してきました。これらは言うなればお金をプラスしてくれる制度ですが、それとは逆にお金を引いてくれる制度があります。それが各種税金の減税制度です。

上手に活用して損をしないようにしましょう。

2-1.住宅ローン減税

自分が住む家を購入するにあたって、銀行や住宅金融支援機構などで住宅ローンを組んだ場合、要件を満たすと住宅ローン減税が適用されます。

毎年末のローン残高の1%を10年間控除してくれる税制度で、年間最大40万円、10年間で最大400万円控除となるわけですから必ず利用するべきです。

■ 主な要件

  • 床面積が50㎡以上
  • 床面積の1/2以上が自分の居住用
  • 控除を受ける年の合計年収が3,000万円以下
  • 10年以上の住宅ローンを利用していること

■ 控除金額

毎年所得税からローン残高の1%が控除されますが、控除額が所得税額よりも大きかった場合は、残りを住民税から差し引いてくれます。

現行

特典期間

2014年4月〜2021年12月

消費税10%で住宅取得

2019年10月〜

2020年12月31日までに入居

上限控除額(10年間)

40万円

(400万円)

控除期間

10年間

13年間

控除率

住宅ローン残高×1%

10年目まで

住宅ローン残高×1%

10年目以降

住宅ローン残高×1%

もしくは購入価格×2%を3等分

住民税からの控除率

最大13.65万円/年

※消費税10%で住宅取得しても2021年1月1日以降の入居の場合、控除は10年間※参考元:政府広報オンライン 拡充された「住宅ローン減税」とは?

■ 住宅ローン減税のポイント

住宅ローン減税は自動的に計算されるわけではなく、自分できちんと様式にそって申告する必要がありますので注意してください。

事業主の場合は毎年確定申告が必要ですが、会社員の場合、確定申告は最初の年だけで大丈夫です。2年目以降は、税務署から送られてくる控除証明書を勤務先に提出すれば、年末調整で処理してもらえます。

2-1-1.投資型減税

長期優良住宅と低炭素住宅に対して特別に所得税を控除してくれる税制度を「投資型減税」といいます。住宅ローン減税は10年以上の住宅ローン利用者しか該当しませんが、投資型減税は現金で購入した場合にも適用されるのが特徴です。

■ 主な要件

  • 長期優良住宅か低炭素住宅の認定を受けている新築の建物
  • 床面積が50㎡以上
  • 床面積の1/2以上が自分の居住用
  • 控除を受ける年の合計年収が3,000万円以下

■ 控除金額

長期優良住宅・低炭素住宅

2014年4月〜2021年12月

上限控除額

65万円

控除期間

1回のみ

控除率

掛かり増し費用×床面積×10%

 ■ 投資型減税のポイント

申請方法は住宅ローンと同じく確定申告にて行います。注意するポイントとして、住宅ローンとの併用はできません。

投資型減税は最大65万円の控除が1回だけですから、要件を満たしているならば住宅ローン減税を選ぶ方が断然お得です。

「現金で家を購入した場合」か「10年未満の住宅ローンを利用する場合」のどちらかで利用する制度と覚えておきましょう。

2-2.登録免許税

住宅を購入したら所有権が自分にあることを証明できるように、法務局に登記をするのが一般的です。その登記に掛かる税金が「登録免許税」です。

登録免許税の軽減措置は特別に手続きをする必要はなく、要件を満たしていれば自動的に適用されます。

■ 軽減措置の主な要件

  • 床面積が50㎡以上
  • 新築または取得後1年以内の登記であること
  • 自己の居住用住宅であること

■ 軽減税額

登記の種類

税率

軽減後税率

所有権保存登記

固定資産税評価額×0.4%

固定資産税評価額×0.15

(※1、2:0.1%)

所有権移転登記

固定資産税評価額×2%

固定資産税評価額×0.3

(※1:0.2%)(※2:0.1%)

抵当権設定登記

債権金額×0.4%

債権金額×0.1

※1:「特定認定長期優良住宅」※2:「認定低炭素住宅」の場合

軽減措置が適用されるのは、2020年3月31日までに登記する物件に限られます。手続きは通常は司法書士が代理で行いますので、購入者は特に何もする必要はありません。

2-3.不動産取得税

住宅や土地を購入すると不動産取得税が発生しますが、これは毎年支払う税金ではなく購入時に1回だけ支払えば完了となります。不動産を取得して半年ほど経過すると、最寄りの自治体から通知書が送られてきますので、それまでに税金を用意しておきましょう。

建物

税額

固定資産税評価額×3%=不動産取得税

軽減後税額

固定資産税評価額−控除1,200万円×3%=不動産取得税

(長期優良住宅は控除額1,300万円:2020年3月31日まで)

主要件

・   住宅であること(セカンドハウスも可)

・   50㎡以上240㎡以下

土地

税額

固定資産税評価額×1/2×3%=不動産取得税

(1/2軽減措置は2021年3月31日まで)

軽減後税額

(固定資産税評価額×1/2×3%)−控除額=不動産取得税

控除額:4万5000円もしくは土地1m2当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200m2が限度)×住宅の取得持ち分×税率(3%)の多い方

主要件

・   土地先行取得:取得後3年以内に新築すること

・   建物先行取得:取得後1年以内に土地を取得すること

不動産取得税の本来の税率は「4%」です。3%への軽減・土地の1/2軽減とも期間限定で実施されていますので、住宅建築の予定がある場合は終了期限を考慮して計画を立てる必要があります。

2-4.固定資産税

毎年1月1日の時点で建物と土地を所有している人は、固定資産税と都市計画税を支払わなければなりません。固定資産税・都市計画税にも軽減措置がありますので、しっかりと頭に入れておきましょう。

固定資産税

税額

課税標準×1.4%=固定資産税

軽減後税額

建物:固定資産税額が1/2

(新築後戸建は3年間、マンション・長期優良住宅は5年間)

土地:200㎡以下の場合、課税標準×1/6

   200㎡を超えた分に関しては、課税標準×1/3

主要件

・120㎡までについて減税

・50㎡以上280㎡以下

・事務所兼用住宅などの場合:居住部分が1/2以上

都市計画税

税額

課税標準×0.3%=都市計画税

軽減後税額

土地:200㎡以下の場合、課税標準×1/3

   200㎡超の場合、課税標準×2/3

※原則として建物の軽減措置はありません

主要件

・店舗併用住宅では居住部分が1/2以上あれば、土地はすべて住宅要土地とみなす

この軽減措置は、本来2018年3月31日で終了するはずでしたが、2年間延長され2020年3月31日までに新築した建物に適用されることになりました。

また、建物の軽減期間は3年間と決まっていますが、土地に関しては建物を解体しない限り軽減措置は継続することも覚えておいてください。

2-5.贈与税

贈与税では2つの軽減措置「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」と「相続時精算課税制度」を利用することができます。

住宅取得等資金の贈与税の非課税特例

贈与者

直系尊属(父母・祖父母)

受贈者

子・孫

主な要件

・   床面積が50㎡以上240㎡以下

・   居住部分が1/2以上

・   2021年3月31日までに贈与が完了かつ住宅の契約も完了

・   贈与を受けた年の1月1日で20歳以上

・   贈与を受けた年の所得が2,000万円以下

非課税金額

消費税8%の場合

一般住宅

省エネ住宅

2016年1月1日〜2020年3月31日

700万円

1,200万円

2020年4月1日〜2021年3月31日

500万円

1,000万円

2021年4月1日〜2021年12月31日

300万円

800万円

消費税10%の場合

一般住宅

省エネ住宅

2019年4月1日〜2020年3月31日

2,500万円

3,000万円

2020年4月1日〜2021年3月31日

1,000万円

1,500万円

2021年4月1日〜2021年12月31日

700万円

1,200万円

相続時精算課税制度は、父母・祖父母から贈与を受けた20歳以上の子・孫で、最初の贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日までに贈与税の申告をしているなどの要件を満たせば、累計合計で2,500万円まで非課税となる制度です。

「相続時精算課税制度」の他に「基礎控除」も選択可能ですが、併用はできません。

「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」と「相続時精算課税制度」は併用可能です。例えば、2019年の3月に要件を満たせば、省エネ住宅非課税金額1,200万円と相続時精算課税2,500万円の合計3,700万円を非課税で贈与することができます。

非課税金額 1,200万円   + ( 基礎控除 110万円 or 相続時精算課税 2,500万円

住宅購入の際は申請できる補助金制度を利用しよう

新築住宅を購入する際に、予算が有り余っている方はそう多くないはずです。少しでも支払いを少なくするために予算を削ったり、ローンを組む金融機関と何度も交渉したりと、さまざまな努力をするでしょう。

そんなときに知っておくと役立つのが、補助金をはじめとする各種優遇制度です。要件さえ満たしていれば誰でもその恩恵を受けられるのですから、利用しない手はありません。どんどん活用していきましょう。

まとめ

  • 新築住宅に対する主な補助金制度は「すまい給付金」他4つ
  • すまい給付金と市町村補助金の申請は住宅購入者が行う
  • 住宅ローン減税と投資型減税は併用できない
  • 登録免許税以外の減税制度は住宅購入者が申請する
  • 該当するすべての補助金制度と減税制度を積極的に利用しよう