【固定資産税評価額とは】調べ方と評価方法をわかりやすく徹底解説!

マンションや一戸建て住宅を手に入れたら、毎年支払わなければならないのが「固定資産税」です。必ず発生する費用なので、これから住宅購入を考えている人は、その税金の仕組みを理解しておきたいものです。

固定資産税を理解するには、基準となる固定資産税評価額について詳しく知る必要があります。

固定資産税評価額とはなにか、その調べ方や評価方法もあわせて、わかりやすく解説します。

1.固定資産税評価額とは

まず固定資産税とは、毎年1月1日の時点で土地や家屋などの固定資産を所有する人が、市町村に支払う税金のことです。この固定資産税を計算する基準となるのが、固定資産税評価額です。

土地と家屋に分けて評価され、3年に1度「評価替え」といわれる固定資産税評価額の見直しが行われます。この評価替えを行う年度を基準年度といい、直近では平成30年度が基準年度でした。平成31年度と次年度は、原則として固定資産税評価額は据え置きとなります。

ただし、家屋の新築、増改築や土地の分筆、合筆があった場合は新たに評価を行い、固定資産税評価額を決定します。

1-1.「課税標準額」との違い

課税標準額とは、所得税や法人税、固定資産税などの税額計算を行うときに、税率にかけて税額を出す「価額」のことです。

通常家屋については固定資産税評価額と課税標準額は同額となりますが、土地の場合は「住宅用地の特例措置」や「宅地の負担調整措置」があり、この措置の適用前が固定資産税評価額、適用後が課税標準額となります。

宅地の課税評価額は通常、固定資産税評価額より小さくなり、最終的に固定資産税の課税対象となる金額です。

【住宅用地の特例措置】

一定の条件を満たした住宅用地は固定資産税が軽減される措置が取られます。

  • 住宅用地の200㎡までの部分(小規模住宅用地):固定資産税評価額×1/6
  • 住宅用地の200㎡を超える部分:固定資産税評価額×1/3

【土地の負担調整措置】

土地の負担調整措置とは、3年に1度見直される固定資産税評価額が急激に上昇した場合、納税者の負担が急増することを防ぐために負担調整率によって、固定資産税の上昇がゆるやかになるように調整する仕組みのことです。

この調整には、負担水準という数値が使われます。負担水準は今年度の負担調整前の価格が、前年度に対してどれくらい上昇しているかを示す指標です。
負担水準が100%を超えれば価格は下落しているので負担調整は行われず、100%未満であれば価格は上昇しているので負担調整を行い、上昇をゆるやかにします。

  • 負担水準(%)=前年度課税標準額÷今年度固定資産税評価額×100

1-2.「相続税評価額」との違い

相続税評価額とは、相続や贈与により取得した財産にかかる課税価格のことです。相続税や贈与税を算出するときに必要な相続税評価額も、固定資産税評価額と同様に、土地と家屋を分けて評価します。

家屋については、固定資産税評価額と同じになりますが、土地については評価方法が異なります。相続税評価額の土地の評価方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つです。

【路線価方式】

市街地にある住宅地については、国税庁が年に1度定める「相続税路線価」という指標があります。これは国税庁のホームページに掲載された路線価図で調べられます。路線価とは、その道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格です。この路線価に、土地の形状などによる補正率と、地積(土地の面積)をかけた価格が相続税評価額となります。家が建てにくい不整形の土地などはこの補正率をかけることで、評価額が下がる仕組みになっています。

【倍率方式】

相続税路線価がない地方の土地などでは倍率方式で評価額を算出します。これは固定資産税評価額に一定の評価倍率をかけて算出する方法です。評価倍率は地域ごとに定められた数字があり、国税庁のホームページで確認できます。最も一般的な評価倍率は1.1倍です。

2.固定資産評価基準によって評価される

固定資産税評価額の評価基準となるのが、総務省が定める「固定資産評価基準」です。この基準を目安に、各市町村(東京23区の場合は東京都)が個別に評価額を決定します。

固定資産評価基準では、評価対象の土地や家屋について評点数を付け、1点当たりに決められた価額をかけて評価額を算出する「評点式評価法」がとられています。

2-1.土地の評価

土地の評価額は、固定資産評価基準に沿いながら、売買実例価額を基準とします。

地区内で選定された「標準宅地」に、地価公示価格の7割を目安に適正な時価を割り出し、この宅地が接する道路に宅地1㎡あたりの路線価を設定します。この路線価に土地形状の補正率と地積(土地の面積)をかけたものが固定資産税評価額です。

また、路線価のない地域は「標準地比準式」で評価されます。地区の中で選定した標準宅地に対して、地価公示価格の7割を目安に適正な時価を設定します。この標準宅地の価格との比較により、算出されるのが評価額です。

2-1-1.固定資産税評価額以外にも価格が付く

ひとつの土地には、目的に応じて別の基準で算出された「時価」「公示価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」という4つの価格がついています。
これを「一物四価」といいます。

【時価(実勢価格)】
実際に売買された価格、または、周辺の取引例から推定される価格。
国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で閲覧可能。

【公示価格(公示地価)】
地価公示法に基づき1月1日時点での地価を評価し、国土交通省が毎年3月に公示する標準地の価格。国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で閲覧可能。

【相続税評価額】
贈与税や相続税の算出基準となる価格。公示地価の約8割の水準になるように調整されている。

【固定資産税評価額】
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算出の基準となる価格。公示地価の約7割の水準になるように調整されている。

2-2.建物の評価

家屋の評価額は、通常建築費の50%〜70%程度になるといわれています。その家屋を再建築した場合の費用を想定するのが評価の原則です。

木造より鉄筋コンクリート造の評点数が高いなど、一般的には建築コストがかかるものほど評価額は高くなります。「固定資産評価基準」に基づき床面積、キッチンや浴室などの水廻り設備、仕上げの材料なども評価額に影響します。

これらの調査は、新築後に役所で固定資産税を担当する調査員が、現地に出向き行われます。

3.固定資産税評価額は税金を計算する際に必要

固定資産税評価額を基準とする税金は固定資産税だけではありません。
「都市計画税」「登録免許税」「不動産取得税」を計算する際にも必要です。

3-1.固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産の所有者として登録されている人に課せられる市町村税ですが、東京23区は特例で東京都が課税します。5月頃に納税通知書と納付書が届き、一括もしくは4期に分けて支払いを行います。

通常、不動産売却で所有者が変更になった場合は、固定資産税の清算が行われます。納税は1月1日時点での所有者である売り主が行うため、不動産の引き渡し日以降の固定資産税を日割り計算し、買主に負担してもらうのが一般的です。

3-2.都市計画税

毎年1月1日時点での都市計画法の市街化区域内の土地や家屋の所有者に課せられます。税率は市町村により異なりますが、最高限度が0.3%と定められています。都市計画税は固定資産税と一緒に、市町村に納付する税金です。

固定資産税と同様に、一定の条件を満たす住宅用地の場合は軽減措置があります。

3-3.登録免許税

登録免許税は、登記、登録、許可、証明などを行う場合に課税される国税です。不動産を登記するときに支払う必要があります。
登記とは、土地や家屋の権利関係を公開された帳簿に記載することです。

一般的には以下のような場合に登記が必要になります。

  • 家屋の新築、増築、改築
  • 土地や家屋を購入、相続、贈与により取得したとき
  • 住宅ローンなどで抵当権を設定するとき

3-4.不動産取得税

土地や家屋を購入したときや建築をしたときに、登記の有無にかかわらず課せられる地方税です。贈与や交換などで取得した場合も課税対象になりますが、相続で取得した場合は課税されません。

4.不動産の固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額を調べるには、いくつかの方法があります。
どの方法も所有している不動産もしくは、所有している不動産と同じ市町村内の不動産の価格しか調べられません。

これから購入する不動産の固定資産税評価額を知りたい場合は、土地や中古住宅であれば売り主に確認するのがおすすめです。

4-1.固定資産税評価明細書を確認

毎年1月1日時点での不動産の所有者には、管轄の市町村から納税通知書と一緒に、固定資産税評価明細書が送られてきます。5月頃に届く場合が多いですが、自治体によっても異なります。明細書の「価格」や「評価額」の欄に記載されているのが固定資産税評価額です。

4-2.固定資産評価証明書の取得

管轄の市町村役場や都税事務所の窓口で300円〜400円程度の発行手数料を支払えば、固定資産評価証明書を交付してもらえます。似たような証明書で「固定資産公課証明書」がありますが、この証明書には、評価証明書の内容に加えて、固定資産税や税相当額等の税額が記載されています。

これらの証明書は原則として不動産の所有者本人に交付されます。本人以外が交付を受ける場合は委任状などが必要です。

4-3.固定資産課税台帳の閲覧

市町村役場や都税事務所の窓口では、固定資産税評価額の掲載された固定資産課税台帳を閲覧できます。

固定資産課税台帳では、所有している不動産のある市町村内の他人の土地や家屋の評価額を、自分の土地や家屋の評価額と比較することが可能です。

他人の情報を見ることを「縦覧(じゅうらん)」といい、所有者による「閲覧」と区別しています。閲覧は年間を通じて可能ですが、縦覧は毎年4月1日から、自治体が定める数ヶ月間に限られています。また、縦覧用の縦覧帳簿には所有者名は記載されていません。

5.税金の計算方法・節税方法

固定資産税評価額が基準となる、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の計算方法と、節税のポイントを解説します。

5-1.固定資産税

【計算式】
税額=固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率1.4%
*自治体により税率が異なる場合があります。

【節税方法】
・2020年3月31日までに新築された一定の条件を満たす住宅では、120㎡までの部分について、3年間または5年間にわたり固定資産税が1/2になる減税措置があります。
・土地を分筆することで、利用価値が低い部分の評価額を下げられる可能性があります。ただし、分筆には登記その他の費用がかかりますので、どの程度の節税効果があるかを事前に見極めることが大切です。

5-2.都市計画税

【計算式】
税額=固定資産税評価額(課税標準額)×税率0.3%
*税率は最高限度0.3%。市町村により異なる場合があります。

【節税方法】
固定資産税と同じで、分筆により固定資産税評価額が下げられれば、都市計画税も節税になります。

5-3.登録免許税

【計算式】
税額=固定資産税評価額×税率0.4%など
*税率は登記の種類により異なります。所有権保存の登記は0.4%です。

【節税方法】
一定の条件を満たした住宅の新築や取得の場合は、税率の軽減措置があります。特定認定長期優良住宅を新築または取得した場合は、さらに軽減率が大きくなります。

5-4.不動産取得税

【計算式】
税額=固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率4%
*条件を満たした新築住宅・中古住宅とその敷地については、一定の控除額が認められているため、非課税になる場合もあります。この軽減措置を受けるには、市町村への申告が必要です。

【節税方法】
・2021年3月31日までは特例により、土地と住宅の税率が4%から3%に軽減されます。
・2021年3月31日までは特例により、宅地の固定資産税評価額の1/2が課税標準額になります。

固定資産税評価額に納得行かないときは不服申し立てを!

固定資産税は不公平が生じないような方法で計算されています。

しかし、実際に納税するにあたって固定資産税評価額に納得がいかないときは管轄の市町村窓口に相談をし、評価についての説明を求めることもできます。

それでも納得がいかない場合は、管轄の地区で決められた期限内であれば、書面で不服の申し立てをすることも可能です。

各市町村には、中立的な立場で審査や決定をおこなう固定資産評価委員会が置かれています。申出が認められず、棄却になった場合は控訴も可能です。
まずは正しい知識を身に付け、ご自身が所有している不動産の固定資産税評価額が適正かを見極めることが大切です。

まとめ

  • 固定資産税評価額は「固定資産税」「都市計画税」「免許登録税」「不動産取得税」算出の基準になる
  • 固定資産税評価額は、総務省が定める固定資産税評価基準に基づき評価を行う
  • 3年に1度、固定資産税評価額の「評価替え」が行われる
  • 土地は売買実例価格を基準として評価し、家屋は再建築価格を基準として評価する
  • 固定資産税評価額は自分で確認することが可能である