新築一戸建ての費用の相場は?家を建てるために必要な諸費用について

新築住宅は、内観や外観が綺麗なこともあり、マイホームを購入するなら新築を希望される人も多いのではないでしょうか。また、間取りや設備などにこだわりがある場合は、一戸建ての注文住宅を検討することもあるかもしれません。

しかし、住宅購入は高額なお金が必要です。住宅に関して必要な知識が足りないまま建築を決めてしまい、後から「こうすればよかった」と後悔する人がいるかもしれません。

そういった状況にならないためにも、まずは新築一戸建ての相場や必要な費用について、しっかりと知ることが重要です。

これから詳しく解説していきますので、今回の記事がみなさんのお役に立てれば幸いです。

1.新築一戸建ての費用の相場

住宅金融支援機構はフラット35の借り入れ申し込みを基に、毎年住宅購入に関する調査を行っています。2018年に発表された「2017年度フラット35利用者調査」のデータを参考にしながら、新築一戸建ての費用の相場を詳しく解説していきます。

1-1.「注文住宅」の所要資金の相場は3,359万円

「注文住宅」の所要資金()は、全国平均「3,359万円」で、2014年度から4年連続で上昇しています。そこで気になるのが、どのくらいの広さの住宅をいくらで購入したのかという点です。

※所要資金:申込時点における予定建設費と土地取得費を合計したもの

1-1-1.「注文住宅」の建物の広さと建築費の平均

都道府県エリア

平均建築床面積

平均建設費

北海道

135.9㎡(41.1坪)

3,220万円

東北(宮城県)

135.9㎡(41.1坪)

3,327万円

関東(東京都)

126.7㎡(38.32坪)

3,936万円

中部(愛知県)

132.7㎡(40.1坪)

3,581万円

近畿(大阪府)

128.2㎡(38.7坪)

3,529万円

四国(香川県)

125.3㎡(37.9坪)

3,200万円

九州(福岡県)

129.6㎡(39.2坪)

3,304万円

全県平均

128.2㎡(38.7坪)

3,356万円

※注文住宅の県別所要資金のデータは未記載

参考元2017年度フラット35利用者調査

エリアによって条件は異なりますが、注文住宅を購入する場合、130㎡(39.3坪)・3,300万円が注文住宅の平均価格帯であることが分かります。

1-1-2.「土地付き注文住宅」の広さと所要資金の平均

「土地付き注文住宅」は、建設費だけでなく、土地取得費用を含めた注文住宅のこと指します。2017年度の土地付き注文住宅の全国平均所要資金は、「4,039万円」と発表されており、こちらは2013年度から5年連続で上昇しています。

都道府県エリア

平均建築床面積

平均所要資金

北海道

115.2㎡(34.8坪)

3,466万円

東北(宮城県)

120.6㎡(36.4坪)

3,986万円

関東(東京都)

99.1㎡(29.9坪)

5,592万円

中部(愛知県)

116.6㎡(35.2坪)

4,477万円

近畿(大阪府)

108.3㎡(32.7坪)

4,264万円

四国(香川県)

119.8㎡36.2坪)

3,713万円

九州(福岡県)

116.0㎡(35.0坪)

4,041万円

全県平均

113.3㎡(34.27坪)

4,039万円

※土地付き注文住宅は建設費のデータは未記載

参考元2017年度 フラット35利用者調査

113.3㎡(34.27坪)の土地付き注文住宅を新築で購入する場合、土地込みで平均4,000万円ほどの予算が必要です。

1-2.「建売住宅」は3,337万円が相場

最近は注文住宅ではなく、建売住宅を選択する人が増えてきています。建売住宅の2017年度所要資金の平均は「3,337万円」で、2009年ごろから金額は横ばい状態です。

建物別の融資区分の割合を比較すると、2007年度には13.2%だったのが、2017年度には20.2%と7%も上昇しています。

注文住宅の割合はそれほど大きな変化はありませんが、新築マンションの購入者が約1/4に減っていることから、その分建売住宅を選択する人が増えた可能性が高いでしょう。

1-3.「購入者の世帯年収」で最も多いのは400~599万

フラット35を利用している2017年度の平均世帯年収額は「598万円」です。昨年度は600万円を超えていたことから、わずかに下降していることが分かります。

次に世帯年収別の購入割合ですが、注文住宅・土地付き注文住宅・建売住宅とすべての新築住宅に共通して多い世帯年収は「400〜599万円」となっており、全体の40〜46%を占めています。

次いで「399万円以下」と「600〜799万円」の層が、共に約20%の割合という結果になっていました。

1-4.「固定資産税」と「都市計画税」の相場は計算で分かる

住宅を購入すると、固定資産税・都市計画税の支払いが発生します。

固定資産税と都市計画税は、建物や土地を購入すると必ず発生する費用で、毎年1月1日に不動産を所有している人が支払わなければなりません。

だいたい5〜6月頃に市区町村から納税通知書が送られてきますが、事前におおよその金額を予想することが可能です。

これから説明する計算方法を用いて、金額を頭に入れておきましょう。

上記の計算式で税額は求められますが、建物と土地それぞれ計算が必要です。

正確な金額を割り出す場合は、役場で固定資産税評価額を調べる必要がありますが、概算を求めるだけなら購入価格の60〜70%を課税標準に設定すれば、おおよその納税額を把握できます。

なお固定資産税・都市計画税には、2020年3月31日までに新築した建物に適用される軽減措置があります。

1-4-1.土地の計算

軽減措置が適用された場合の、計算式は以下となります。

  • 固定資産税:200㎡以下の場合、課税標準 × 1/6 × 1.4%
  • 都市計画税:200㎡以下の場合、課税標準 × 1/3 × 0.3%

【例】地価公示価格が8万円/㎡で土地面積が200㎡の場合

固定資産税:(8万円×200㎡)×1/6×1.4%=37,184円
都市計画税:(8万円×200㎡)×1/3×0.3%=15,840円

1-4-2.建物の計算

建物の固定資産税に関しては、「ある一定の要件を満たした場合、3〜5年間が1/2になる」という軽減措置がありますが、都市計画税の建物に関しては軽減措置がありません。

【例】物件価格が2,000万円の場合

物件価格2000万円に70%をかけて、実際の評価額に近い数値で計算します。

固定資産税:1,400万円×1.4%×1/2=98,000円
都市計画税:1,400万円×0.3%=42,000円

土地・建物の金額を合計すると、

固定資産税:135,184円
都市計画税:57,840円

になりますので、約20万円を準備すればよいということになります。

1-5.「火災保険」の相場

住宅購入をする際は、多くの人が住宅ローンを利用しますが、10〜35年の長期ローンの返済中に火災が発生したら、支払いができなくなる危険性があります。

そのため、住宅ローンを組む際には、火災保険への加入が義務づけられていることが一般的です。

火災加入において注意すべきポイントは、建物の構造によって保険料が異なる点です。一戸建ての場合、H構造(木造)とT構造(鉄骨・コンクリート造)に区別され、同じ保険内容ではT構造の方が保険料は安くなります。

また、保証の範囲もよく検討する必要があります。火災だけカバーする保険は値段が安いですが、台風や水害などの被害には対応してもらえません。

プランによって保証内容が異なりますので、加入時はしっかり確認することをおすすめします。

それでは「価格.com」を参考にして、火災保険の相場を紹介します。

  • 三井住友海上/GKすまいの保険(戸建標準プラン):138,650円
  • 日新火災/「住自在」すまいの保険(戸建標準プラン):95,250円
  • セコム損保/セコム安心マイホーム保険(戸建標準プラン):95,020円

※2019年3月末現在

※参考元:価格.com 三井住友海上/GKすまいの保険
※参考元:価格.com 日新火災/「住自在」すまいの保険
※参考元:価格.com セコム損保/セコム安心マイホーム保険

保険会社によっても、サービス内容が異なる場合があるので、気になることは積極的に問い合わせをして比較検討しておきましょう。

2.新築を建てる際にかかる主な費用

新築一戸建てを購入する際の主な費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられます。
まずは、1番大きな金額となる「本体工事費」について詳しく解説していきます。

2-1.本体工事費

一般的に本体工事費は、総工事費の約70%を占めています。
本体工事と付帯工事の工事内容は、基本的にどこの会社もほぼ同じですが、細かい内容は建築会社によって違うことがあります。

不明な点があれば、建築会社に直接確認しておくのがおすすめです。

【主な本体工事】

  • 仮設工事
  • 基礎工事
  • 木工事
  • 建具工事
  • 屋根・板金工事
  • 内外装工事
  • タイル・左官工事
  • ガラス工事
  • 電気工事
  • 給排水工事
  • 空調工事

本体工事費は、「工法」と「ハウスメーカーの規模」による差が大きい傾向にあります。単純に費用だけを比較すれば、注文住宅より建売住宅の方が安くなります。

しかし、工事内容や建築会社との相性も、理想的な住まいを実現するためには、とても重要な点です。そのため、金額だけに捉われるのではなく、全体的にさまざまな観点から家づくりを考えていくことが大切です。

2-2.付帯工事費

付帯工事費は一般的に総工事費の20%ほどかかるといわれています。
工事内容は、外構工事といった主に建物の敷地内で発生する工事をイメージすると、分かりやすいでしょう。

【主な付帯工事】

  • 地盤調査・改良工事
  • 整地工事
  • 外構・造園工事
  • 解体工事(建て替えの場合)
  • 屋外給排水工事
  • 屋外電気工事
  • 屋外ガス工事
  • 仮設工事
  • 本体工事に含まれないカーテン・照明などの工事

仮設工事は、水道・電気・トイレの3つで、工事が終わったあとに撤去される設備です。

また、水道管やガス管も敷地内に引き込みされていない場合、新たな引き込み工事を行うため、20万円〜100万円ほど別途必要になることもあります。

引き込み工事は高額になるケースがあるので、事前に確認しておくことが大切です。

2-3.工事費用支払い時期

工事費用額と一緒に、支払い時期についても確認しておくと、返済プランが立てやすくなります。

支払時期を把握して、工事費用額を準備しておきましょう。

  1. 契約時:手付金として10%
  2. 着工時:着手金として30%
  3. 上棟時:中間金として30%
  4. 引き渡し時:残金30%

3.新築購入にかかる主な諸費用

住宅を購入すると工事費以外に「諸費用」がかかります。諸費用は具体的にいうと、税金と手数料のことで、物件価格の5%〜10%ほど発生するのが一般的です。

項目

内容

税金

 登録免許税(

・新築建物所有権保存登記:建物評価額×0.4%

抵当権設定登記借入額×0.4%

・土地所有権移転登記:土地評価額×2%

司法書士報酬

登記代行の報酬:5〜10万円

印紙税

売買契約書・ローン契約書:5,000万円以下で3万円

不動産取得税

・土地・建物:固定資産税評価額×4%

※2021年3月31日までに取得して、一定要件を満たした場合、以下の軽減措置が適用されます。

・土地:固定資産税評価額−控除1,200万円×3%

・建物:(固定資産税評価額×1/2×3%)−控除額

固定資産税

課税標準×1.4%

※2020年3月31日までに新築した建物に適用される軽減措置があります。

都市計画税

課税標準×0.3%

※2020年3月31日までに新築した建物に適用される軽減措置があります。

手数料

住宅ローン

事務手数料

324,000円

※(例)楽天銀行:借り入れ3,000万円の場合

住宅ローン保証料

0円

※金融機関によっては必要です。

仲介手数料

物件価格×3%+6万円※仲介物件の場合

火災保険料

約10万円(10年契約)

団体信用生命保険料

住宅ローンの支払いに組み込まれているのが一般的

登録免許税:土地は2019年3月31日までの登記、抵当権と保存登記は2020年3月31日までに取得した住宅で、一定要件を満たした場合、軽減措置の適用があります

これらの費用以外にも「引っ越し代」や「家具代」など、何十万円単位でのお金が必要になるため、事前にきちんと資金計画をしておくことが重要です。

4.毎月の返済額は返済負担率「25%以内」を目安にする

住宅ローンは、ライフスタイルの変化など、さまざまな理由で返済ができなくなる危険性がつきまといます。ローン未払いを回避するためには、無理のない返済計画が不可欠です。

その基準となるのが「返済負担率(返済比率)」です。

返済負担率は税込み年収に占める年間返済額の割合を示した数字で、下記の式で求めることができます。

返済負担率(%)=1年間の元利金等返済額÷年収×100

代表的な住宅ローンである住宅金融支援機構のフラット35の利用条件では、「年収400万円以上で35%以内」と定められています。

※参考元:住宅金融支援機構 フラット35 利用条件

ただしこの35%という数字は、あくまでも「ここまでなら借りられるという上限の数字」です。上限一杯まで借りてしまうと、病気やリストラなどのトラブル時に対応できない恐れがあります。

そのため、返済負担率は、一般に安全といわれている「25%以内」に抑えておくことがポイントです。

例えば、年収が600万円で年間の返済額が120万円の場合、返済負担率は「20%」となるため、安全圏にいるといえます。
ただし、この数字はあくまでも額面年収上での計算です。

改めて手取りを480万円として計算すると、返済負担率は「25%」となり、問題なく返済ができそうだという見込みが立ちます。

もちろんご家庭のライフスタイルによって、返済負担率の基準は異なりますが、理想は20%以内、多くても25%以内を目安として返済計画を立てることがよいでしょう。

余裕を持った資金計画を立てることが大切

住宅を新築すれば、平均で約3,300万円もの支払いを抱えることになり、最長で35年間も返済を続けなくてはなりません。

返済の途中では、病気やリストラなどのトラブルで、支払いが滞ってしまう危険性も出てきます。そういったリスクを回避するためには、支払う費用をきちんと把握して、余裕を持った資金計画を立てることが必要です。

また、本体工事費は支払い総額の70%以上を占めますので、うまく間取りなどを工夫すれば大きく節約できるチャンスです。事前にしっかりと比較検討し、理想の住まいを実現してくださいね。

まとめ

  • 2017年度の注文住宅の所要資金は「3,359万円」
  • 2017年度の建売住宅の所要資金は「3,337万円」
  • 注文住宅にかかる主な費用は3つ「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」
  • 本体工事費は総費用の70%を占める
  • 毎月の支払いは多くても返済負担率を25%以内を目安にする