個人事業主でも住宅ローン借り入れ可能!知っておきたい審査基準とは

住宅を購入する際には住宅ローンを組むのが一般的です。しかし、自分が個人事業を営んでいる場合、住宅ローンの商品によっては借入が難しくなってしまうかもしれません。
個人事業主が住宅ローンを申し込む場合、事前に審査基準を把握し、それに沿って計画を立てる必要があります。この記事では、個人事業主と住宅ローンの関係について解説します。

1.個人事業主が住宅ローン審査で重視されるポイント

個人事業主が住宅ローンを借り入れる場合、どのような点が重視されるのでしょうか。まずは、個人事業主が住宅ローン審査で重視されるポイントについて解説します。

1-1.安定的な収入が見込めるかどうか

住宅ローンの申請においてどんな人でもチェックされる「年収」。
自営業者が住宅ローン審査を受ける場合は、年収額に加えて「安定的な収入が見込めるかどうか」が重要になります。

住宅ローンとは、長期の場合30年以上もの歳月を返済に充てることになる商品です。もし、その間に個人事業が上手くいかなくなってしまうと、貸したお金が満足に返済されなくなるという可能性もあるでしょう。それを避けるためにも、銀行などの貸し手は安定的な収入が見込めるかどうかを重視します。

安定的な収入が見込めるかどうかは、毎年の収支や開業年数などによって判断されるのが一般的です。この辺りは、借入可能額にも影響が出るところです。

2.個人事業主向け!住宅ローンの審査基準

では、引き続き個人事業主向けに住宅ローンの審査基準について見ていきましょう。住宅ローンの審査基準は、一体どのようなものがあるのでしょうか。

2-1.直近3期分の経費を引いた所得金額

個人事業主が住宅ローンを組む場合、まずは直近3期分の経費を引いた所得金額が審査の対象になります。ここで大事なことは「総収入」ではなく、「経費を引いた所得額」が対象になる点です。

住宅ローンの審査においては、ほとんどの銀行で、直近3期分の確定申告書や決算書の提示が求められます。
個人事業を営んでいる場合、経費を多く計上すればするほど節税になります。そのため、人によっては税金を安くするためにあえて経費を積み上げている場合もあるかもしれません。

しかし、住宅ローンを申し込む場合、必要以上に経費を積み上げるのは避けた方がよいでしょう。審査を通過するためにも、なるべく申告所得額を多くすることをおすすめします。もし既に申告済みの場合でも、修正申告を行うことで所得額を増やすことも可能です。ただ、その場合は延滞税が課されることもあるため注意しましょう。
なるべく確定申告の段階で申告額の調整を行うのがベターです。

ちなみに、法人化して会社経営者となった場合、法人格となった時点から3期経過していなければ住宅ローンの審査を受けられませんので、もし法人化をご検討されている方はこの点も念頭に入れておいてください。

2-2.税金滞納の有無

税金の納付状況も重要な審査基準です。そこから何が分かるかというと、借り手側の「信用度」です。お金にルーズな人に住宅ローンを貸してしまうと、どこかのタイミングで返済が滞ってしまう可能性があります。会社員であれば税金や保険料など給料から天引きされますが、自営業者はご自身で納付しなければいけません。
そのため、もし税金を滞納している場合、住宅ローンの審査が極めて通りづらくなります。

しかし、細かいお金までしっかりと管理し、支払うべきものを期日までに支払っている人であれば問題ありません。住宅ローンを借り入れる予定がある場合は、支払いを滞納しないよう注意しましょう。

2-3.返済比率

「返済比率」も住宅ローンの審査基準として挙げられる重要な項目です。
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。

返済比率(%)=1年間の元利金等返済額÷年収×100

この比率が一定基準を超えてしまうと、リスクが高くなるため、貸し手としては融資に踏み切れなくなってしまうというわけです。
なお、返済比率については住宅ローンだけでなく、クレジットカードの借り入れや車のローンなど他の借金も合算されます。このとき、事業用融資の返済額が含まれる点にも注意しましょう。個人事業主の場合は、個人の財布と事業を財布を分けている場合も多いかとは思いますが、一般的なローンの審査では同一として扱われます。
審査に通るためには、自己資金を多く用意して借入額を少なくするなど、返済比率を低める工夫も大事です。なお、一般的な返済負担率の目安は「25%以内」といわれています。

3.住宅ローン審査における必要書類

では、次に住宅ローン審査における主な必要書類についてです。
保険証や住民票といった本人確認書類の用意も必要ですが、ここでは「確定申告書」と「納税証明書」について、事前審査でチェックされるポイントを改めて見ていきましょう。

3-1.確定申告書

個人事業主の収入や所得を証明するものとして、まず「確定申告書」が挙げられます。個人事業を営んでいる場合は毎年確定申告の義務があるため、税務署に提出したものをそのまま用いればよいでしょう。
銀行によっても違いがありますが、一般的に、確定申告書は直近3期分の提出を求められます。つまり、住宅ローンを組む予定がある場合、3期前からある程度の準備を行う必要があるということになります。
税金は上がってしまいますが、前述の通りあまり経費を積み上げすぎず、所得額を多めに申告しておくのも、住宅ローン申請を通すためのひとつの手段です。

3-2.納税証明書

納税証明書は、その名の通り「当人が確かに納税したことを証明してくれる書類」です。納税証明書を提出することで、借り手による税金の滞納がないことが証明されます。こちらも直近3期分を用意しましょう。
税の滞納がある場合、住宅ローンの審査に通過することが難しくなってしまいます。申し込んで書類を提出する際には、滞納がないよう気をつけましょう。

4.個人事業主におすすめの住宅ローンは「フラット35」!その特徴は?

個人事業主が住宅ローンを組む場合、「フラット35」がおすすめです。フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構によって共同運営されている商品です。そのため、民間の金融機関が取り扱っている住宅ローンとは条件や審査基準が少し異なり、個人事業主でも審査が通りやすくなっています。

また、フラット35は原則35年間固定金利商品になります。借入期間が短い場合は変動金利の方が有利になる可能性もありますが、長期借入を行う場合はフラット35が最低金利になるケースもあるのです。
給与所得者に比べると個人事業主は住宅ローン審査で不利になりがちですが、フラット35であれば、その辺りをカバーしてくれることが期待できます。

4-1.審査の対象となる所得金額は1期分のみ

フラット35を申し込む場合、本審査の対象となる所得金額は基本的に1期分のみとなります。もちろん、ケースバイケースでそれ以上必要になることもあるかもしれませんが、3期分に遡ってチェックされることが決まっている住宅ローンの商品に比べると、比較的所得金額をコントロールしやすいといえるでしょう。

4-2.その月の金利での審査となる

フラット35を申し込む場合、基本的にはその月の金利での審査になります。そのため、金利が低い月に申し込めば、総返済額を抑えることができるでしょう。
現在の日本は金利が低水準なため、長期固定の住宅ローンを検討する場合はフラット35が有力な候補になります。

4-3.事業用融資は返済比率の計算に含まれない

通常、個人事業主が住宅ローンを組む場合は事業用融資も返済比率の計算に含まれますが、フラット35であれば含まれず、そのぶん返済比率が低くなります。そのため、事業用融資を多く受けている個人事業主の場合、民間金融機関の商品よりローン審査に通過しやすくなるのです。

5.新規も借り換えも、住宅ローン審査では安定した収入を得られるかを見られる!

個人事業主が住宅ローンを借りる場合、直近の収入と事業の安定性、納税の滞納の有無などが審査基準になります。新規の場合も借り換えの場合も大きく変わるところはありませんが、通常の会社員と比べると審査に不利になるケースも考えられるでしょう。

そこで強い味方となるのが「フラット35」。
フラット35であれば、個人事業主だからといって不利な審査になる可能性は少なく、かつ長期金利を低く抑えることができます。

もし個人事業主として住宅ローンを検討するのであれば、フラット35も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 個人事業主が住宅ローンを申し込む場合、確定申告書と納税証明書が重要となる
  • 審査を通過するためには、自己資金を多く用意するなど、借入金額を減らす工夫が有効
  • 確定申告書は直近3期分を求められることが多い
  • 金融機関の住宅ローンの場合、事業用融資も返済比率の計算に加えられる
  • フラット35は個人事業主が審査に通りやすい住宅ローン商品である