マイカーローンをかかえて住宅ローンは組める?審査への影響を調査!

人生の大きな買い物といえば、家と車。すでにマイカーローンをかかえていている人にとっては、マイカーローン返済中に住宅ローンが組めるのか、審査に影響がないのかは、気になるポイントでしょう。

マイカーローンを組んでいる人が家を買う前にぜひ知っておきたい、住宅ローン審査への影響をくわしく解説します。

1.マイカーローンと住宅ローンの違い

はじめにマイカーローンと住宅ローンの違いをみてみましょう。お金を借りる目的が違うだけではなく、金利とリスクにも違いがあります。

1-1.金利に差がある

マイカーローンは大きく分けて、銀行ローンとディーラーローンがあります。一般的に銀行ローンのほうが金利は低めで融資審査が厳しく、ディーラーローンは金利は高めですが、銀行ほど審査は厳しくなく、申込みからの審査期間も短いのが特徴です。ディーラーローンの審査が銀行ほど厳しくないのは、ローン完済までは車の所有権がディーラーとなり、返済できない場合は車が担保になるからです。

そんなマイカーローンですが、住宅ローンと比べると金利が大きく違います。さまざまな目的別ローンのなかで、住宅ローンは最も長期間、低金利で借りられるローンです。変動金利に比べて割高になる固定金利の金利も、低く抑えられています。一般的にマイカーローンは住宅ローンに比べて金利が高く、期間も短くなります。

一例として、三井住友銀行のローン金利を比較してみましょう。

  • 住宅ローン 変動金利 年2.475% →融資金利(優遇後の金利)年0.625%~0.775%
  • 住宅ローン 固定金利(20年超~35年以内)年1.680%
  • マイカーローン 変動金利 年4.475%

参考元:三井住友銀行
「ローン金利」
「1月の金利 住宅ローン(新規)」

*2019年1月現在
*住宅ローンは保証料外枠方式(保証会社による保証料を含めない金利)

一口に金利といっても、金融機関の金利には「基準金利」もしくは「店頭金利」といわれるものと、実際の融資で適用される金利は違います。一定の条件を満たした場合や、キャンペーンの利用などで、基準金利から「優遇金利」へ金利引下げが適用されます。住宅ローンの場合は、引き下げ幅が1%を超える優遇金利が設定されていることも珍しくありません。引き下げ幅が大きいほどお得となります。

上記の三井住友銀行の場合は、住宅ローンの変動金利2.475%が基準金利です。ここから、-1.7%〜-1.85%の優遇があり、実際に適用される金利が0.625%~0.775%となります。

ちなみに優遇金利には、全融資期間にわたって適用される「通期適用」と、はじめの何年間かに限って適用される「当初適用」があります。

1-2.リスクが変わってくる

ローンを借りる一番のリスクは、返済できなくなる可能性があることです。その大きな原因として、家計の担い手であるローン契約者の死亡や高度障害が考えられます。

民間住宅ローンでは、契約者本人が「団体信用生命保険(団信)」に加入することが融資条件になっています。万が一、ローン契約者が返済中に死亡や高度障害になってしまった場合は、団信の保険金から住宅ローンが全額弁済され、家族は住宅ローンから解放されます。

団信の保険料は通常、民間住宅ローンの金利に含まれていますので、別途支払う必要はありません。ただし、健康上の理由などで団信に加入できない場合は、融資自体を受けられないというケースもあります。

同じ住宅ローンでも、「フラット35」や「財形住宅融資」の場合は団信への加入は任意ですが、万が一に備えて必ず加入しておくべきでしょう。別途特約料(保険料)が必要となりますが、住宅金融支援機構の「機構団体信用生命保険特約制度」が利用できます。

一方、マイカーローンの場合、通常そのようなしくみはありません。マイカーローン返済中に契約者が死亡や高度障害になった場合は、返済能力の有無に関わらず、残りのローンを家族が担わなければならないのです。

死亡や高度障害など、万が一のときのリスクはマイカーローンのほうが大きいと心得ておきましょう。

2.マイカーローンがあっても住宅ローンは申請可能

すでにマイカーローンを返済中の場合でも、新たに住宅ローンを借りることはできます。

2-1.審査自体に影響はないが借入可能額は低くなる

マイカーローン返済中であっても、住宅ローンの審査にはなんの影響もありません。支払い能力があると認められれば、住宅ローンの借入れは可能なのです。

ただし、マイカーローンの存在は住宅ローンの借入可能額に影響してきます。

住宅ローンの借入可能額は、契約者の収入から毎年どのくらいの返済が可能かを割り出して決定します。しかし、マイカーローンがある場合は、返済可能額からマイカーローンの返済額を差し引いた額が住宅ローンの返済可能額となるため、結果的に借入可能額が減少してしまいます。

もちろん、マイカーローンの返済において延滞などがある場合も審査に影響を与えます。住宅ローンの審査では、ローンの返済状況など個人信用情報が大きな判断材料のひとつとなるため、ローンの返済には十分注意しましょう。

3.マイカーローンがあるときの住宅ローンの借入額への影響

それでは返済中のマイカーローンが、住宅ローンの借入可能額にどれくらい影響するかをみてみましょう。

3-1.知っておきたい!住宅ローン審査で重要な「返済比率」

住宅ローンの審査で重要な判断基準とされる「返済比率」という数字があります。額面の年収に対するすべてのローンの年間返済額の割合を表し、「返済負担率」ともいわれます。返済比率は以下のように計算されます。

【返済比率(%)=年間返済額÷額面年収×100】

ちなみに【フラット35】の場合、返済比率は以下のように決められています。

年収400万円未満 返済比率:30%以下
年収400万円以上 返済比率:35%以下

例えば、年収400万円の場合の年間返済額は140万円が上限になります。

【年間返済額=額面年収×返済比率】

→ 400万円×0.35=140万円

民間の住宅ローンの審査でも、この返済比率が重要な判断材料になっています。はっきりした評価基準を設けている場合と、基準は設けずに返済比率に勤め先や勤続年数などを加味して総合的にする場合があります。

3-2.車以外のローンも合算される

返済比率を算出するための「年間返済額」には、すべてのローン返済額の合計も含まれます。つまりマイカーローンに限らず、教育ローン、カードローン、消費者金融、クレジットカードによるキャッシングやリボ払いなども合算されます。

また、配偶者や親と収入を合算してローンを組む場合は、通常は収入合算する人のローンもすべて含まなければならないので、注意が必要です。

3-3.マイカーローンありとなしで比較

マイカーローンがある場合とない場合で、実際どれくらい借入可能額に影響がでるかを試算してみましょう。

以下のようなケースを想定します。

年収400万円 返済比率35%以下
【住宅ローン】
固定金利1.33% 返済期間35年
【マイカーローン】
借入額250万円 変動金利2.55% 返済期間10年 月間返済額 約23,600円

*マイカーローンは千葉銀行のネットシミュレーションで試算した金額
参考元:千葉銀行「マイカーローン 返済シミュレーション
http://www.chibabank.co.jp/kojin/loan/mycar/simShinki/

返済比率と年収から、ひと月当たりの返済額の上限を計算してみましょう。

【年収×返済比率÷12ヶ月=毎月のローン返済額上限】

→ 400×0.35÷12=約116,700円 

マイカーローンなしの場合は、この116,700円が住宅ローンの毎月の返済金額上限になります。

マイカーローンありの場合は、ここからマイカーローンの月間返済額を差し引いた93,100円が、住宅ローンの毎月の返済金額上限になります。

116,700円-23,600円=93,100円

ボーナス返済はなし、事務手数料等は考慮しないものとする

*【フラット35】シミュレーションによる試算

参考元:フラット35 年収から借入可能額を算出するシミュレーション https://www.flat35.com/simulation/simu_03_2.html

このように、概算の借入可能金額には800万円近い差が出る結果になりました。総額250万円のマイカーローンでも大きな影響があることがわかります。

4.マイカーローンをかかえて住宅ローンを組む際の注意点

マイカーローン返済中に住宅ローンを新たに組む場合に、注意すべきポイントをみてみましょう。

4-1.同じ銀行でも車のローンと家のローンをまとめることはほぼできない

マイカーローンに加えて住宅ローンを組む場合、2つのローンをひとつにまとめることはできないのでしょうか。

結論からいうと、たとえ同じ銀行で融資を受ける場合でも、ふたつのローンをまとめることはほぼ不可能です。車と住宅というふたつのローンは目的が違います。住宅は生活必需品であるという考えから、金利が優遇されているので、そこに自動車のローンを一緒にすることは無理があるのです。

金融機関によっては複数のローンをひとつにまとめる「おまとめローン」も扱っていますが、これはもともと金利の高いカードローンなどを複数かかえている方向けのローンです。融資限度枠も1,000万円以下、年利10%以上のものも多く、住宅ローンを「おまとめローン」にするメリットはありません。

ただし、マイカーローンと住宅ローンを同じ銀行から借りることがメリットとなる場合があります。複数のローンを組んでくれる顧客は、銀行からみればお得意さまです。そのため、住宅ローンの金利がさらに優遇される可能性があります。

4-2.併用することで家計を圧迫する可能性がある

マイカーローンは、返済期間が長くても10年程度ですが、月々の返済金額は安くありません。そこに住宅ローンが加わることで、家計への負担がさらに重くなります。

特に、ボーナスでの返済をあてにしている場合は注意が必要です。ボーナスは世の中や会社の状況に大きく左右されます。できればボーナスをのぞいた年収の範囲内で返済できるローン利用を考えたほうが安心でしょう。

5.車と家を同時に購入したい場合は?

車と家を同時に購入することは、大きなローンをかかえることになります。必要な時だけカーシェアやレンタカーを利用するという選択肢もありますので、まずはマイカーが現在のご家庭のカーライフに本当に必要なのかを見極めましょう。また、新車でなく中古車を選ぶなど、費用を抑えることも検討するといいでしょう。

マイカーが必需品で、さらに車と家を同時に購入したい場合は、どのようにローンを組めばいいのでしょうか。

住宅ローンのほうが長期で金利が低いからといって、車の分も住宅ローンの融資金額に加算してお金を借りることは不可能です。専用ローンである住宅ローンの取得資金を住宅購入以外のことに流用することはできません。

ある程度手持ち資金がある場合は、できれば車は現金で購入するか、手持ち資金をマイカーローンの頭金に充てることをおすすめします。マイカーローンのほうが、金利が高く返済期間も短いので、借入金額が減ることで年間返済金額に与える影響は大きくなります。なるべく住宅ローンの借入額を増やして、月々の返済額を減らし、家計を安定させることがポイントです。

将来を見据えて住宅ローンを組もう

住宅ローンの返済は長期間にわたります。借りられるからといって、借入限度額ぎりぎりまで借りてしまうと、家計を圧迫するおそれがあります。フラット35の返済比率の上限は30~35%ですが、実際の家計の負担から考えると、返済比率は25%までに抑えるのが理想的です。

マイカーローンをかかえた上で家の購入を検討している方は、住宅ローンをどれくらい借り入れできるのか、毎月の返済額はいくらなのかなどを調べ、資金計画をしっかり立てておく必要があります。

年収や家族構成の変化、住み替えやリフォームの可能性など、将来を見据えて無理のない住宅ローンを組みましょう。

まとめ

  • 住宅ローンとマイカーローンは金利とリスクが異なる
  • マイカーローンがあっても住宅ローンは組める
  • マイカーローン返済中だと住宅ローンの借入可能金額は少なくなる
  • 住宅ローンとマイカーローンをまとめることはほぼできない
  • 家と車を同時に購入したい場合は、なるべく住宅ローンからの借入れを多くする