住宅ローンは借金があると組めない?審査に通るためのポイントを解説

家を購入する際は住宅ローンを組むのが一般的ですが、既に借金がある場合はどうなるのでしょうか。基本的に住宅ローンも借金の一つになるため、他に借り入れがある状況は好ましいことではありません。

この記事では、住宅ローンと他の借り入れについて、また借金がある場合でも審査に通りやすくなる方法を解説していきます。

1.借金があっても住宅ローンは組める

他に借金がある場合でも住宅ローンは組めるのか、その答えは「YES」です。
その理由について見ていきましょう。

1-1.ポイントは返済比率

住宅ローンの申し込みでは、「事前審査」と「本審査」に通過する必要があります。

その「事前審査」の要件の一つとして、「返済比率(返済負担率)」という項目があります。返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合であり、下記の式で求めることが可能です。

  • 返済比率(%)=年間返済額÷年収×100

年間返済額は住宅ローンを借りた際の金額だけでなく、現在の借金も含めます。
年収に対するそれらの比率が一定以下であるかどうかが、住宅ローン借り入れ審査の重要項目の一つです。

一般的に返済比率の安全圏は20%〜25%、フラット35の場合は30〜35%以下が目安とされています。

1-2.借金の用途も重要

借金の利用用途も、審査に重要な要素です。
借金は、生きていく上で仕方のないこともありますが、その一方で借りずとも生活できるような用途も存在します。

たとえばマイカーローンや教育ローンは、必要となる借金に該当するため、特に問題視されることはないでしょう。
しかし、消費者金融や用途不明なクレジットカードのキャッシングは、生活上必要のない借金に該当し印象が悪くなる可能性があります。

もちろん、前者であっても後者であっても、審査が通る通らないを確定させるものではありません。住宅ローン融資の審査は総合的に行われるため、借金の用途はあくまでも審査項目の一つとして考えておくとよいでしょう。

2.借金と住宅ローン審査の関係について

借金が与える住宅ローン審査について解説していきます。

2-1.過去の借金は住宅ローン審査に影響する?

基本的に過去の借金が住宅ローン審査において問題になることはありません。
しかし、返済履歴に延滞などの悪条件があったり、自己破産していたりする場合は注意が必要です。

それらの履歴は、いわゆる「ブラックリスト」に登録されてしまうため、住宅ローン審査の際に個人信用情報を開示され、マイナス評価を受ける可能性があります。

2-2.住宅ローン審査で借金がばれる?

住宅ローン審査を受けるときに、家族に他の借金があることがばれてしまうかもと、不安に思う方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、たとえ配偶者であっても債務者の借入情報は個人情報に関わるため、知ることができません。

ただし審査を行うにあたって、申請者の財務状況は重要な情報です。
債務者は金融機関側に借入情報を申告する必要があるため、住宅ローン申込書に記載しなければなりません。その記載内容を家族に見られてしまうと、ばれてしまうことがあるため注意が必要です。

2-3.親や妻に借金があると審査が通らない?

住宅ローン審査の対象となる人物は、申請者と連帯保証人、および担保提供者です。そのため、親や配偶者が他に借金をしているからといって審査に影響が出ることはありません。

もちろん、親や配偶者が保証人などの審査対象者に含まれている場合は、影響を受けることになります。たとえば夫婦で収入合算をして住宅ローンを申し込むケースでは、配偶者が連帯保証人となるため、借金がある場合はそれを加味して審査が行われます。

3.借金がある人が住宅ローン審査を通過するポイント

借金がある人が住宅ローン審査を通過するためには、いくつかのポイントがあります。
借金がある人は次のような点を押さえてから、申請することをおすすめします。

3-1.手持ち金を増やす

一つ目のポイントは、可能な限り手持ち金を増やしておくことです。手持ち金を増やしておけばその分頭金を捻出することができ、結果借り入れ額を少なくすることができます。

一般的に、借入額を減らせば減らすほど審査が通りやすくなるため、借金がある場合でも住宅ローンを借りられる可能性が高まります。
特に、返済比率が明確に定まっているフラット35のような商品が有効です。

3-2.借金を返済する

借金がある場合、思い切って借金を返済してしまうのも一つの方法です。そうすれば借り入れがなくなり、延滞などの悪条件がない限り借金が審査に影響することはありません。

いきなり全額返済が難しい場合でも、年間返済額を減らすためにある程度まとまった額の返済を行うことが大切です。
返済比率を下げることにも繋がるため、審査に通過する可能性が高まります。

3-3.住宅購入を遅らせる

前述のような対応がすぐに難しい場合、思い切って住宅購入を遅らせることを検討するのもおすすめです。無理に審査を受けてもよい結果が得られるとは限りませんし、もし通ったとしても、現在の借金の上に住宅ローンの返済分が積み重なります。

それでは家計を圧迫する恐れもあるため、住宅購入を一旦見直し、その間に自己資金を増やしたり借金を返済したりするのが得策といえるでしょう。住宅購入や住宅ローンの借り入れは家族間でよく相談し、長期的な返済計画を立てて行うことが大切です。

4.住宅ローンと他の借金をまとめることは可能?

低金利の住宅ローンに、他の借金をまとめることを考える人がいるかもしれません。
住宅ローンと他の借金をまとめることは可能なのか、住宅ローンと他の借金の関係性について解説します。

4-1.原則的には不可能

住宅ローンと他の借金をまとめることは原則的には不可能です。使用用途が限られていない借金であればまとめることもできますが、住宅ローンのように使途が限られているものはそうはいきません。

金融機関側が、「住宅購入」という名目で貸出を行っている以上、他の用途が含まれる場合の借り入れを断られてしまう可能性が高いでしょう。
住宅ローンは、あくまでも住宅購入に使うローンという認識が妥当です。

4-2.おまとめローンは損

おまとめローンを使えば、住宅ローンを含む複数の借り入れを一本化できる可能性があります。しかし、おまとめローンは一般的な住宅ローンと比べると、圧倒的に返済利率が高いことが多く、その場合はまとめてしまうと損をすることになります。

金融機関によって設定金利は異なりますが、住宅ローンをおまとめローンでまとめるメリットはほぼありません。

5.ブラックリストに載った場合は【フラット35】

借金をして返済が滞ったり、自己破産したりといった事故情報は、「信用情報機関」に登録されてしまいます。いわゆる「ブラックリスト」といわれる存在がこの事故情報です。

任意整理が行われた場合も、事故情報として「信用情報機関」に登録されてしまいます。
この状況で住宅ローンを借り入れることは難しいところです。

しかし、長期固定金利の「フラット35」であれば可能性はゼロとは言い切れません。
ここでは、ブラックリストとフラット35の関係性について解説します。

5-1.任意整理とは

任意整理とは、弁護士や司法書士といった専門家が債権者に対し交渉を行い、返済総額や月々の支払負担を減らす手続きのことです。

交渉は自己破産や民事再生を回避するために行い、利息制限法の上限利率で再計算をして減額された返済金額を支払うことができます。
※取引当初から利息制限法の上限利率内で設定されている場合は、再計算しても借金は減額されません。

また、分割回数や利息のカットなどの交渉が可能になり、今後の返済計画を話し合いで決めることができます。

5-1-1.任意整理中は住宅ローンは組めない

任意整理を行うと個人信用情報機関の情報に登録されてしまうため、基本的に新たな借り入れはできません。

前述にもありましたが、ローンの審査では個人信用情報の照会が行われるため、任意整理中は住宅ローンが組めないと考えておいた方がよいでしょう。

任意整理を行ったあとに住宅ローンを組む場合は、登録機関の5年を過ぎてからが目安となります。

5-2.フラット35の審査が通るポイント

事故情報が登録されてしまった場合でも、「フラット35」の審査に通過した人がいます。無論厳しい状況ではありますが、次のような点をアピールできれば審査に通過する可能性があります。

  • 自己資金が多い

自己資金が多いと借り入れ額を減らせるため、審査に通過しやすくなります。購入価格を全額現金で支払えれば住宅ローンを借りる必要はありませんが、そうでなくとも価格の80%を現金で支払えれば、残りの20%を借り入れるだけで購入できます。

もし事故情報がある場合でも、多くの自己資金があれば審査を通過できる可能性があるでしょう。

  • 上場企業に勤務している

信用力の高い企業に勤めている場合も、審査が通過しやすくなる傾向にあります。
基本的に上場企業は倒産する可能性が低いと見積もられており、その分社会的信用を得ることが可能です。

さらに、年収も高く返済比率が低ければ、事故情報があっても審査に通過できる可能性があります。

  • 物件の価値を重視する

フラット35は、基本的に人より物件の価値を重視する住宅ローン商品です。そのため、良い物件の購入を検討している場合は、ローン審査が通過しやすくなる傾向にあります。

物件の価値は「住宅の規模」「住宅の規格」「住宅の構造」などによって判断されます。ブラックリストが載っている場合は、なるべくフラット35の基準を満たす物件を検討するのがおすすめです。

住宅ローンを組む前は借金はしない方が良い

基本的に、住宅ローンを組むときに他の借金があると審査が不利になります。
そのため、住宅ローンを組む前は借金をしない方が望ましいです。

もし返済中の借金がある場合は、早々に返済するか、多くの自己資金を用意しましょう。
それが難しい場合、住宅の購入を先延ばしにするのも一つの方法です。

住宅ローンは一般的に返済期間が長いため、焦らず着実に、個々のライフプランに合った支払い方法を選択することが大切です。

まとめ

  • 住宅ローンを組む際に借金があると不利になる
  • 借金がある場合、返済比率がポイントになる
  • 基本的に住宅ローンをおまとめローンでまとめると損をする
  • 信用情報機関に事故情報が登録されている場合、借り入れは極めて難しい
  • ブラックリストに載っていても「フラット35」であれば審査を通過できる可能性がある