【10年後の住宅ローン金利】金利動向や時代の流れから今後を予想!

現状、日本の住宅ローンは空前の低金利が続いています。
そのため、住宅購入をするときに「変動金利」と「固定金利」、どちらを選ぶのが適切なのか判断が必要となります。

住宅ローン選びで失敗しないためには、将来金利がどうなっていくのかをきちんと予測する必要があります。
今回の記事では金利動向や時代の流れから、住宅ローンの今後を予想していきます。

1.現在の日本は超低金利!

現在の日本では超がつくほどの低金利です。この傾向は、2016年に日銀が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策」を導入してから強まりました。

さらに2018年の金融政策決定会合では、当面短期金利「−0.1%」、長期金利「0%」に誘導する政策を継続すると決定がされています。

日本の金利がなぜこんなにも低いか、その理由について見ていきましょう。

1-1.金利が低い理由

基本的に金利は、「借りたい人」と「貸したい人」の需要のバランスで決まります。借りたい人が少なければ、消費者の需要を高める目的として、金融機関は金利の引き下げを行います。

また、景気の動向と大きく関係しているのが、お金を借りたい人の数です。
景気がよければ多くの人がお金を借りようとしますし、不景気であればお金を借りようとする人は必然的に少なくなります。

バブル崩壊後、長い間続く景気の悪化により、お金を借りる人が少なくなりました。そのため日本の金利水準は、長期間低いままであるという流れが見えてきます。

1-2.低金利だからいいというわけでもない

日本の住宅ローンの金利は、10年国債利回りに連動して増減する傾向があります。
そのため、超低金利時代が続く日本では住宅ローンも低金利です。

「固定金利」の場合は金利の変動は関係ありませんが、「変動金利」の場合は低金利だからといって、いいことばかりではありません。

1-2-1.返済額が増える可能性がある

「変動金利」では、金融機関によって異なる場合がありますが、一般的に金利の見直しは毎年2回行われています。

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

「元金均等返済」の場合、金利が急騰すれば、半年ごとに支払額が増える可能性があります。

一方、「元利均等返済」では、支払額は一定という大前提があるため、毎年2回も返済額が見直されていては、返済計画の見通しが立たずに困ってしまうかもしれません。

そこで、返済額の見直しは5年ごとに行うという「5年ルール」の施策が取られています。

さらに5年経過したときに金利が上がった場合でも、借主を守るために125%を上限とするルールも設定されています。

時期の違いはあるにしても、金利が上がれば、どちらの方法も支払額が増えることになるため、家計を圧迫する恐れがあることを覚えておくことが必要です。

1-2-2.未払い利息が出てくるおそれがある

金融機関のほとんどは、毎年4月と10月に金利の見直しを行います。

「元金均等返済」の場合、金利が上がればその分支払額も上がります。
そのため、後述する「未払い利息」は発生しません。

しかし、「元利均等返済」の場合は、前述にもあったように、半年ごとに住宅ローンの金利が変わってしまっても、「5年ルール」が適用されその間の返済額は一定です。

5年の間に上がった金利の分は、元々の支払額の中で元金と利息の割合を調整することで処理します。

そのため、金利が上がると利息をたくさん返して、元金はあまり減らない状況が発生することがあります。

さらに金利が急騰すれば、利息分だけで毎月の支払額を超えてしまうという恐ろしい現象が起きかねません。
この現象を「未払い利息」といいます。

現状金利が低いということは、将来的に上がる可能性が高いということを意味します。「元利均等返済」を利用している場合は、金利が上がれば大きなリスクがあることを知っておかなくてはいけません。

2.これまでの金利動向

10年後の住宅ローン金利を予想するにあたって、これまで日本の金利がどのように変化してきたかを把握しておく必要があります。

2-1.10年前から現在にかけての金利推移

日本の住宅ローンの金利は、市中の金利に連動している傾向があります。
まずは固定金利に大きく影響を及ぼす「10年国債」の過去10年間の金利推移を見てみましょう。

出典:日本相互証券株式会社HPより

10年前の2009年1月の金利は1.303%で以降右肩下がり。2016年のマイナス金利政策に端を発し金利はマイナスに転じ、2018年12月現在で0.013%と超低金利を継続しています。

2-2.ここ1年の金利推移

今度は「10年国債」の、ここ1年の金利の動きを見ていきます。

出典:日本相互証券株式会社HPより

1年前の2018年1月の金利は0.079%でした。

7月に日銀が金利0.2%まで上がることを容認したことを受けて、10月には0.137%まで上昇しましたが、結局12月の時点では0.013%と再び超低金利に戻っています。

なかなか容認された0.2%までは上昇させられないのが現状のようです。

2-3.短期金利は変動なし

住宅ローンの変動金利で影響を受けるのが、市中の短期金利です。短期金利の指標といわれる「無担保コール翌日物」の過去10年間の動きも見ていきましょう。

出典:日本銀行時系列統計データ検索サイトより

10年前の2009年1月の金利は0.120%でした。
2018年12月の金利は−0.055%で、2016年のマイナス金利政策開始時からほぼ一定の水準を維持しています。

  • 長期金利0.2%という指標から乖離した、0.013%という超低金利が継続していること
  • 人口減少や経済の慢性的悪化に対し、特に有効な対策がない

これらを踏まえると、当面大きな金利上昇は考えにくいと予想されます。

3.【金利タイプ別】金利変化への対応方法

前述では主に市中の金利について解説してきましたが、ここでは住宅ローンの金利について解説していきます。

住宅ローンは金利によって、下記の3つのタイプがあります。

  • 変動金利(0.527%)
  • 固定期間選択金利(1.112%):固定期間優遇タイプ
  • 全期間固定金利(1.08%)   :固定期間優遇タイプ

※参考元:楽天銀行 住宅ローン新規お借り入れ 商品一覧 2019年1月1日現在

現時点では変動金利が圧倒的に低い状態ですが、長期において金利上昇のリスクが付きまとうことになるでしょう。

金利タイプ別に、どのように対応していけばいいのか解説します。

3-1.変動金利のケース

変動金利の場合、金利が上がってしまってからでは打てる手は限られてきます。
固定期間優遇タイプの金利も上がっているため、固定期間優遇タイプへの借り換えができないからです。

次に考えられる手としては「繰上げ返済」です。
その分の資金に余裕がある場合、繰上げ返済をして借入額を減らし、返済期間を変えなければ、毎月の支払額を抑えることができます。

3-2.固定期間選択のケース

固定期間選択は、1年・3年・5年など設定した期間の金利が固定され、終了時に再度金利タイプを選択することができるタイプです。

現時点では「変動金利」タイプが、金利の面では有利ではあります。
しかし、子供の成長に伴うライフイベントの有無によっては、その後の教育費などを加味して、リスクを取らずに金利を固定化するのもおすすめです。

また、「固定金利」と「変動金利」を組み合わせたミックスローンを選択するのも有効です。

その他、夫婦共働きであれば「夫固定+妻変動」のペアローンを組み、リスクを分散するのも検討してみるとよいでしょう。

3-3.全期間固定金利のケース

変動金利にはかないませんが、全期間固定金利も十分に超低金利な時代といえます。
何といっても、変動金利のような「急激な金利上昇のリスク」がないことが、非常に大きなメリットです。

もちろん金利が低くなれば損をすることになりますが、現在の金利を見れば上昇リスクの方がはるかに大きいので、この点は割り切りが必要になります。

全期間固定金利の代表である「フラット35」の場合、金利が下がった時点で新しい金利が適用されるフラット35に借り換えるのも有効といえるでしょう。

4.今後の住宅ローン予想、変動金利はどうなる?

2019年現在、世界的に金利は上昇傾向にありますが、日本は依然、超低金利状態が続いています。今後の住宅ローンの流れと変動金利の動向などを、2020年の東京オリンピックや日本の財政状況に注目しながら予測していきます。

4-1.オリンピックまで超低金利が続く可能性大

オリンピックが開催されれば、日本を訪れる観光客も増えることになります。そのため、関連施設やインフラの整備が不可欠ですから、建設業界を中心に経済が活発になり景気が上昇するという目論見がありました。

東京都によれば、東京オリンピックによる経済効果は、全国で約32兆円にも上ると試算されています。

ところがオリンピックまであとわずか1年余りですが、全く金利には影響がありません。
これからも特に大きな動向は見当たりませんから、少なくともオリンピックまでは超低金利が続くと考えて間違いないでしょう。

4-2.財政悪化によっては金利上昇の可能性も

日本は財政赤字を国債の発行に頼っています。
2018年3月時点での財政赤字額は、約1,088兆円です。その内、国債残高が約959兆円にも上ります。

また団塊の世代が後期高齢者になり、超高齢化社会に突入して懸念されているのが「2025年問題」です。人口減少も明白で内閣府の推測によると、2029年に1億2,000万人を割り込んだ後も減少を続け、2065年には9,000万人を割り込むことが確実視されています。

いまの日本は借金が多く社会保障費も増大するうえに、肝心の働き手世代が減ってくるため、プラスの要素が全くない状態です。

そうなるといずれ日本の国際的信用が下がり、国債の格付けも下げられてしまい、結果、金利が上昇する可能性がとても高くなります。

住宅ローンは国債の金利に連動しているため、現在のまま財政状況が改善されないのであれば、10年後に住宅ローン金利が上昇することは、ほぼ確実といえるかもしれません。

確実なことは誰にもわからないからこそリスク対策が大事!

これまで今後の金利予想をしてきました。
しかし、これらはあくまでも予想でしかありません。

いつ金利が急上昇するのか、それとも低金利がずっと続くのかは誰にもわからないのです。

そのために私たちにできることは、何があっても対応できるように、できるだけ「リスクを負わないこと」しかありません。

「超低金利」という響きに惑わされて、安易に変動金利を選ぶのは危険です。
かといって固定期間優遇タイプが絶対に正解というわけでもありません。
正解は、その人のライフプランやそのときのライフステージによって違ってきます。

きちんとしたデータを元に未来を予測し、自分の置かれている状況を的確に把握して、自分に合った住宅ローンを選択してください。

まとめ

  • 現在の日本は超低金利が継続している状況
  • 低金利住宅ローンのデメリットは「返済額が増える可能性がある」と「未払い利息が出てくるおそれがある」
  • 住宅ローンの金利は国債の金利と連動している
  • 東京オリンピックまで超低金利が続く可能性が極めて高い
  • 財政悪化によって金利が上昇する可能性あり
  • 不確実な未来に対してできる対策は「リスクを負わないこと」