住宅ローン10年固定はお得?11年目に損をしないための賢い選び方

住宅ローンを選択するときに、重要になってくるのが金利タイプです。
大きく分けると固定金利、変動金利という2種類で、金融機関の多くは、固定金利の中でもお得になる10年固定金利を勧めてきます。

固定金利と変動金利では、基準金利による優遇金利に大きな差が出てきます。
変動金利の方が低金利となりますが、社会情勢の変化により、今後大きく変動する可能性があるため不安です。
そのため、当初10年は固定金利にする「10年固定金利プラン」があるのですが、果たして本当にお得なのでしょうか。

今回は10年固定金利プランの特徴から、11年目以降に損をしないための賢い選び方について詳しく解説します。

1.金利タイプの特徴

住宅ローンを利用するときに選択する金利タイプは以下の2つです。

  • 変動金利
  • 固定金利

それぞれの特徴とメリットを紹介します。

1-1.変動金利

変動金利とは、金利動向により定期的に金利が見直しされる住宅ローンです。
銀行で紹介される金利タイプの中では、1番利率が低い最低金利が設定されています。

定期的な金利の見直しは半年ごとに行われ、金利引き下げが行われると返済額が減り、反対に金利が上がれば返済額が増える可能性がある、わかりやすい金利プランです。

変動金利には、金利上昇リスクにおける消費者の負担を減らすための【5年更新ルール】【1.25倍ルール】があります。

【5年更新ルール】
半年ごとに金利変動が行われても、住宅ローン契約から5年間隔で返済額は変わらないというルール。6年目に入ったときに、初めて返済額が増えることになります。変動金利により返済額が増える消費者への準備期間が設けられているというわけです。

このように5年間隔で分けられ、その期間内で金利変動があった場合でも、返済額は5年間は一定となり、6年目より上がった分の金利が上乗せされて返済額が増える計算です。

【1.25倍ルール】
返済額が上昇する場合、上限は現在の返済額の125%までというルールが設定されています。
例えば、現在の返済額が10万円として、金利上昇によって本来の返済額が150%アップしたとしても、返済額の上がり幅は125%で算出され、12万5千円が上限となります。

<変動金利のメリットまとめ>
・固定金利よりも金利が優遇され低い設定になっている
・金利上昇が無ければ低金利で住宅ローンの支払いができる

<変動金利のデメリットまとめ>
・借り入れ開始時に総返済額が決まっていない
・金利上昇により返済額が増え、生活に影響がでる

1-2.固定金利

固定金利とは、一定の返済期間中ずっと金利が固定されている住宅ローンです。
金融機関の金利見直しが行われたとしても、契約したときの返済金利から決められた期間は金利変動がないため、返済額が変わりません。

金利が固定される期間は「期間選択固定型」と「全期間固定型」から選べます。
期間選択固定型の場合、3年5年10年といった期間が選択でき、その期間は契約した金利となり返済額は固定される住宅ローンです。
一方全期間固定型は、その名の通りローン完済まで月々の返済額が変わらないプランとなります。

<固定金利のメリットまとめ>
・金利変動リスクがないため安心
・返済額が一定のため収支計画が立てやすい

<固定金利のデメリットまとめ>
・変動金利タイプより金利水準が高い
・金利変動せず現状の低金利が続いたら、変動金利よりも返済額が多くなる

2.住宅ローン10年固定とは

ここからは具体的に固定金利の「10年固定」について詳しく紹介します。

10年固定とは、借入当初から返済期間の10年間は固定金利が適用される住宅ローン商品です。

「変動金利」 > 「期間固定金利」 > 「全期間固定金利」

このような関係で優遇金利が適用されているため、10年固定の住宅ローンプランは変動金利の次に優遇率が高くなる魅力的な商品です。

2-1.メリットは期間中にあり

10年固定住宅ローンは、期間中に金利変動がないというメリットがあります。
つまり借入当初10年間は返済額が変わらないため、安定した返済計画を立てることができるでしょう。

また、固定期間中は優遇期間とされ、期間引下げプランによる優遇幅が設定された金利となるため、借入当初の負担を軽減できるメリットもあります。

2-2.デメリットは11年目にあり

デメリットは10年期間終了後、11年目以降に金利が変動してしまう点です。

ここで住宅ローンの金利について少しお話します。
金利というのはもともと金融機関側が設定する「基準金利」があり、そこから住宅ローン商品ということで「優遇金利」が適用され金利設定されるという仕組みです。

金利の引き下げ幅によって優遇金利が決定します。

そのため、住宅ローンの変動金利、固定金利というのは、実際は基準金利から金利の引き下げ幅が適用され、優遇金利として表示されているのです。

ちなみに、これらの名称は金融機関によっても少し言い方が違います。
基準金利のことを「店頭金利」、優遇金利を「適用金利」や「実質金利」、金利の引き下げ幅を「金利優遇幅」と呼んだりしていますが、それぞれ同じ意味です。

11年目以降はこの金利引き下げ幅が適用されず、優遇率が低い設定となる可能性があります。金利が上がると、確実に10年固定で返済していた金額よりも増えることになるのです。

金融機関によっては、11年目のタイミングで変動金利に自動的に切り替えられたり、選択できる金利タイプが限定されたりするといったことになるでしょう。

これが10年固定の最大のデメリットとなるため、10年間返済額が変わらないからといって、安易に決めてはいけません。

<10年固定ローンの例>

※11年目も基準金利が変わらないと仮定します。

このように借り入れ期間の10年目までは優遇幅が高い設定になるのですが、11年目以降は優遇幅が低くなるため、必然的に返済額も増えてしまいます。

10年目までと比べると、びっくりするほど金利が高くなってしまうこともあるため、慎重に考えなくてはいけません。

3.住宅ローン10年固定が合うかどうかの判断材料

ではどういう人が10年固定に向いているのかご紹介します。

3-1.住宅ローン10年固定が適している

11年目以降の金利上昇を考えたときに10年固定が適している人は以下の通りです。

  • 借入金額が高額ではない人
  • 借入期間の設定が短い人
  • 将来的に借り換えを検討している人

10年固定は、期間中は金利が優遇されますが、11年目以降は金利上昇によって返済額が急増するかもしれません。

この点を考えたときに、11年目以降にリスクがあったとしても、借入金額が高額ではない、または借入期間が短い人であれば、10年間の優遇金利を活かしながら住宅ローン返済が可能だといえます。

もしくは11年目以降は借り換えを検討しており、金利の動きを見ながらリスク回避の計画ができる人にもおすすめです。

3-2.住宅ローン10年固定が適さない

反対に10年固定の住宅ローンが適していない人は以下の通りです。

  • 10年後あたりに大きなライフプランが待ち受けている人(子供の高校・大学の学費が必要になる等)
  • 自己資金に余裕がない人
  • 金利変動リスクを避け、安定的に返済していきたい人

10年固定住宅ローンに適していない人は、11年目以降の金利変動リスクに対応できない人です。
金利上昇によって11年目以降の返済額が大きく増加する可能性があるため、長期的な視点で見ると安定的に返済できるプランとは言えません。

今がよければいいのではなく、10年後のライフプランを想像しながら計画的に住宅ローンを選択する必要があります。

4.住宅ローン10年固定で11年目に損をしないための選び方

住宅ローン10年固定では、優遇金利適用期間が終了する11年目以降から、金利の上昇や返済額の増加で損をしてしまう可能性があります。それでも優遇幅がある10年間返済額が変わらない10年固定住宅ローンを選択したいという人は、11年目以降に損をしない選び方をしましょう。

4-1.期間終了前に住宅ローンの借り換えを想定しておく

11年目以降での借り換えを想定しておくことが大事です。
将来借り換えをすることを念頭に置いて、上乗せ金利となるような付帯商品はつけないようにしてください。

そして、借り入れが始まってから5年目以降は住宅ローンの金利動向などを意識して、借り換えするべき住宅ローン商品をチェックしておきましょう。

住宅ローンの契約期間が35年なのであれば、10年間は1/3弱の期間です。
残りの2/3以上の期間もしっかり返済していけるのかどうかが大事になってくるため、借り換えは住宅ローンを組む当初から頭に入れておいてください。

4-2.金利の引き下げ幅が変動金利と近い住宅ローンを選ぶ

10年固定住宅ローンを契約するときに、11年目以降の金利の引き下げ幅がなるべく大きいものを選ぶということもポイントとなります。

できるだけ変動金利の引き下げ幅に近い数値がでることが1番です。
そのため、10年固定住宅ローンを選ぶときは、11年目以降に選択できる金利タイプを把握しておく必要があります。

契約前にあらかじめ確認し、期間終了後に適用される可能性のあるプランを提示してもらい、金利の引き下げ幅を比較検討しましょう。

あらゆるタイプの住宅ローンを比較して総合的に判断しよう

住宅ローンには「変動金利」「期間選択固定金利」「全期間固定金利」3つの金利プランがあります。
金融機関によって用意されているプランもさまざまです。
できるかぎり、すべてのプランの金利と返済額を詳しく出してもらい、手数料や保証料の有無や、家計の状況なども見ながら総合的に比較するようにしましょう。

それぞれに特徴がある商品であり、その特徴をどうやって活かすかは、今後の計画次第です。
住宅ローンは組んでしまってそこで終了ではなく、むしろ始まりと思ってください。

住宅ローンはライフプランにあわせて総合的に判断することが大事です。
10年固定の住宅ローンを検討されている方は、あらかじめ11年目以降の返済プランを想定して、無理のないプランなのかどうかを踏まえた上で契約しましょう。

まとめ

  • 10年固定の住宅ローンは安易に契約してはいけない
  • 11年目以降の金利、返済額を想定しておく必要がある
  • 11年目以降に返済額が急増する可能性がある
  • 住宅ローンはあらゆる金利プランから比較して選択するべき