【年末調整】住宅ローン控除申請に必要な書類の書き方・記述例を紹介

マイホームを購入した方には、住宅ローン控除という税制面での優遇措置があります。

具体的には、一定の条件を満たしている会社員の場合、初回に確定申告をしておけば、2年目以降10年目まで年末調整により税還付を受けることが可能です。

この記事では、住宅ローン控除申請の際に用意する書面と、控除申請書の記載方法などについて解説します。

1.住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除制度」のことです。

この制度を利用すると個人事業主や会社員の区別なく、住宅購入のために住宅ローンを組んだ場合、年末ローン残高の1%が控除期間10年間にわたり所得税額から控除されます。

1-1.初年度は確定申告・2年目は年末調整

一般的に所得税の納付は、会社員の場合は勤務先による源泉徴収と年末調整、自営業の場合は確定申告で行います。

しかし住宅ローン控除を受けるためには、例外的に会社員も初年度のみ確定申告が必要です。翌年以降は、年末調整で処理が行われます。

1-1-1.会社員が行う初年度の確定申告

会社の従業員が住宅ローン控除を受けるためには、初年度のみ確定申告が必要です。

確定申告をする方法は大きく3つの方法があります。

  1. 確定申告書を税務署・国税庁から入手して、税務署に持参または郵送する
  2. 税務署に直接行き、確定申告作成コーナーで「e-tax」を使用し、確定申告書を作成・申請する
  3. 国税庁のサイト上で確定申告書を作成し「e-tax」で申請する

初めて確定申告を行う場合には、②の税務署に直接行く方法がおすすめです。

税務署の確定申告コーナーでは、税務署の職員の方が直接サポートしてくれるため安心して確定申告が行えます。

住宅ローン控除を受けるための確定申告に必要な書類と、入手先は以下の通りです。

  • 確定申告書(A):税務署または国税庁のサイトから入手します。
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書:税務署または国税庁のサイトから入手します。
  • 本人確認書類の写し(マイナンバーカードまたは住民票・運転免許証):市区町村役場から入手します。
  • 建物・土地の登記事項証明書:法務局から入手します。
  • 建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し:不動産会社と契約した際に渡される書類です。
  • 源泉徴収票:勤務先から入手します。
  • 残高証明書(住宅ローンの残高を示す証明書):住宅ローン借入先の金融機関から送られてきます。
  • 耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し(※一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合):契約先の不動産会社から入手します。
  • 認定通知書の写し(※認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合):契約先の不動産会社から入手します。

1-2.金額はいくら・いつ戻ってくるのか

2021年12月までに住宅の購入と入居を済ませた方が、住宅ローン控除の対象となります。住宅ローンの1%相当額が還付されますが、年間40万円、通算400万円を上限として、所得税から戻ってくることになります。

しかし、全ての人が最大控除額400万円の還付を受けられるわけではありません。返済期間10年以上でローンが4,000万円以上あり、かつ所得税と住民税の合算で年間40万円以上の方が対象ということになります。

2.住宅ローン控除を受けるための条件

住宅ローン控除は政策で認められた優遇措置ですが、すべての住宅について適用されるわけではありません。新築、中古、リフォーム物件についてそれぞれ適用になるための条件があります。

2-1.新築物件

新築物件の適用条件は以下の通りです。

  • 物件の完成または取得から6ヶ月以内の入居
  • 借入者の合計所得金額が3,000万円以下
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
  • 登記簿上の床面積が50平方メートル以上あること
  • 床面積の1/2以上が自分の居住用であること

2-2.中古物件

中古物件については、上記に加えて、以下の要件を満たす必要があります。

  • 耐火建築物については取得時点で築25年以内、それ以外については築20年以内であるか一定の耐火基準を満たしていること
  • 生計をひとつとする親族から購入した物件でないこと
  • 贈与された物件ではないこと

2-3.リフォーム物件

リフォーム物件については、新築の条件に加えて、以下の条件を満たすことが必要です。

  • 自宅のリフォームであること
  • 省エネ、バリアフリー、耐震目的のリフォームか、大幅な間取り変更か修繕であること
  • リフォームのための工事費用が100万円以上
  • (店舗併用住宅の場合)居住用部分のリフォーム費用が半分以上を占めること

3.住宅ローン控除の年末調整で必要な書類

2年目の年末調整では、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書と住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書の2点が必要になります。

3-1.住宅借入金等特別控除申告書

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(以下、「住宅ローン控除申告書」)について説明します。

3-1-1.いつ届くのか

住宅ローン控除申告書は、確定申告をした年の10月ごろに、税務署から9年分まとめて送られてきます。

3-1-2.届かない場合

場合によっては送付が11月にずれ込むケースもあるようです。企業によっては年末調整の時期が早めなこともありますので、届かない場合は所轄の税務署に問い合わせをしましょう。

3-2.年末残高等証明書

ローンの年末残高等証明書も必要です。借入先の金融機関から、こちらも毎年10月ごろに送付されます。

3-3.繰上返済・借り換えをした人の注意点

残高等証明書は、9月末時点の残高を記載するため、10月以降に繰上返済や借り換えなどを行った場合は、記載金額と実際の年末残高が異なります。金融機関に対して、手続き後の残高を記載した証明書の再発行を依頼しましょう。

4.住宅ローン控除申告書の書き方・記述例

2年目以降の年末調整にて住宅ローン控除申請を行います。
住宅ローン控除申請書の書き方を具体的に解説していきます。

 4-1.「個人情報」

「税務署長」の欄は、勤務先の所轄税務署がわかれば記入し、わからない場合は空欄でも問題ありません。法人番号についても、提出を受けた会社が記入します。
ご自身の氏名・フリガナ・住所・世帯主と続柄の欄を記入し押印します。

 4-2.「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」

①欄「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」には、12月末時点の住宅ローン残高を記入します。

※連帯債務の場合は「住宅借入金等の年末残高×自分の負担割合」のみを、年末残高として記入します。

4-2-1 住宅借入金等の内訳

住宅借入金等の内訳欄に「A 住宅のみ」「B 土地等のみ」「C 住宅及び土地等」の3種類がありますので、年末残高証明書を確認して該当する項目を転記しましょう。

4-3.「家屋又は土地等の取得対価の額」・「家屋の総床面積又は土地等の面積の占める割合」

②欄と③欄にも、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」の下半分に記載されている金額や数字をそのまま転記します。
面積の割合も書き写し、計算しましょう。
基本的に自宅であれば100%になります。
店舗兼用でも自宅の割合が90%以上になった場合は、100%と記載して問題ありません。

4-4.「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」

④欄「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」は、①欄「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」に記載した「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」と②欄「家屋又は土地等の取得対価の額」のいずれか少ない金額を記入します。

4-5.「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」

⑤欄「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」には、④欄と③欄の割合(%)をかけあわせた金額を記載します。

4-6.「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」

⑥欄「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」には、前述で出した⑤欄の金額を転記します。

4-7.「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」

⑥欄の金額の1%相当額を(100円未満は切り捨て)、⑭「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」に記入します。

4-8.「年間所得の見積額」

年間所得の概算を、前年の源泉徴収票の所得を参考にしつつ、今年度の増減の予測を立てて記入します。あくまで予測となりますので、前年の源泉徴収票の所得金額をそのまま転記しても問題はありません。

4-9.「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」

連帯債務として組んでいる場合は、住宅ローン全体の金額を記入します。

4-10.「備考欄」

連帯債務の場合、⑨欄とともに、⑩欄に連帯債務者から「(記入例)私は連帯債務者として、右上の住宅借入金等の残高〇〇円のうち、〇〇円を負担することとしています」という確認文言と、記名と住所の記載、押印、勤務先の所在地と名称を記入してもらいます。

年末調整は確定申告よりも簡単に申請が可能

住宅ローン控除の書類は、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書と住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書の2点が取得できれば、簡単に申請することができます。

もし年末調整の手続きを忘れてしまったという場合は、確定申告を5年前までさかのぼって手続きをすることが可能です。国が定めた優遇措置ですから、手続きをしっかり行い有効に活用しましょう。

まとめ

  • 初年度は確定申告が必要だが、2年目以降は年末調整で申告できる
  • 新築・中古・リフォームそれぞれに控除条件がある
  • 住宅ローン控除による還付金を受け取るための書類は2つ
  • 住宅ローン控除申請書は、年末残高等証明書を見ながら簡単に作成できる