【注文住宅の流れ】段取りの参考に契約から入居までをシンプルに解説

「注文住宅を建てたいけど、何から手をつければいいのかわからない」

「土地と建物、どっちを先に決めればいいの?」

はじめての家づくりには、たくさんの疑問が湧いてくるものです。

どの段階で何をすればいいのか、注文住宅の計画スタートから完成までの流れを説明していきます。

1.注文住宅の計画から入居までの流れ

土地を購入して、ハウスメーカーや工務店に注文住宅を依頼する場合の、一般的な流れを紹介します。計画スタートから入居まで、順を追って確認していきましょう。

 ※期間はあくまで目安です。また、建築家や設計事務所に建築プランを依頼する場合は、設計契約と工事契約が別になるなど、依頼先によっても異なります。

1-1.【期間:~3ヵ月】資金計画を立てる

まずは、資金計画からスタートしましょう。

家計の状況から、どれくらいの金額を借り入れできるかを把握します。フラット35や金融機関のWEBサイトでは、ローンシミュレーターが用意されているので、誰でも簡単におおよその借入額を確認できます。

■フラット35 クイックシミュレーション

https://www.flat35.com/simulation/sim1.html

ここで注意したいことは、無理なく返済できる借入額をシミュレーションすることです。

完済までの20年~30年の間のライフプランを立て、収入の変化や支出を予測してみましょう。その上で、無理のない毎月の返済額を検討することが大切です。

検討した「返済可能な借入額」に、手持ちの「自己資金」を足した金額が「総予算 」になります。

しかし、この総予算の全てを土地購入と住宅の建築費に当てることはできません。家づくりには不動産仲介料やローン手数料など「諸費用」と呼ばれる費用が必要です。

この諸費用は、住宅ローンの融資対象には含まれないため、その分余裕を持った自己資金の準備が必要となります。

諸費用は注文住宅の場合、「土地+建物」の合計金額の10~12%が目安といわれています。総予算4,000万円であれば「土地+建物」で3,600万円、諸費用が400万円程度を目安として考えるとよいでしょう。

住宅ローンの融資対象に諸経費が含まれない事も記載してください。自己資金が必要な理由にもなります。

「諸費用」の説明のあとに追記いたしました。

総予算=土地購入費用+住宅建築費用+諸費用

1-1-1.理想の住まいを考える

資金計画と並行して、「理想の住まい」について家族で話し合っておくことも大切です。

土地については通勤や通学の便などを考慮したエリア、駅からの距離、周辺環境などの条件を明確にします。建物については、実現したいライフスタイルや希望する間取り、デザインなどを整理しておきましょう。

1-2.【期間:~6ヵ月】土地・工務店・ハウスメーカーの情報収集

全体予算が決まったら、インターネットや雑誌などで、土地や建築の依頼先の情報収集をはじめましょう。希望する土地や住宅の相場を知り、土地と建物のおおよその予算配分を決めます。

予算配分が決まったら、その予算と条件にあった土地とハウスメーカーや工務店を絞り込んでいきます。

土地探しと建物の依頼先探しは、なるべく同時進行で進めるのがおすすめです。希望の土地が見つかったとき、建築を依頼する予定の建築業者がある程度決まっていれば、設計や施工の専門家の立場から、土地を見てもらうこともできます。

また、この段階で住宅ローンの事前審査を受けておくのもおすすめです。全ての土地は条件が異なり、一つとして同じものはありません。

希望の条件にあう土地が見つかったら、すぐに購入に向けて動けるように準備しておくことが大切です。

1-2-1.モデルハウス見学

施工会社の候補が絞れてきたら、モデルハウスを見学しましょう。

モデルハウス見学は、ある程度下調べをしてからの方が効率的です。予備知識ゼロで行くと「素敵!」で終わってしまったり、営業マンの説明を聞くだけになったりして、話が進まないこともあります。

また、モデルハウスの多くは見映えのために特別な仕様になっています。どこまでが標準仕様に含まれるのかを確認することが大切です。

そしてモデルハウスだけではなく、完成見学会や構造見学会に参加することもおすすめします。モデルハウスより現実的なプランであることが多く、計画の参考になります。構造見学会では、完成すると隠れてしまう柱や梁などの構造や現場の整理整頓をチェックしてください。整理整頓は、ミスのない現場の基本です。

1-3.【期間:~10ヵ月】土地購入・契約

希望の土地が見つかったら、不動産会社に申し込みを行います。これは購入の意思を示すもので、5万~10万程度の申込金を支払うのが一般的です。

土地の購入に至った場合は、申込金は手付金の一部に充当されます。

正式に土地の購入を決めたら、 不動産会社から重要事項説明を受け、土地売買契約を締結します。契約時には手付金(契約金額の10%程度)を支払います。

土地代金の残金は、通常土地の引き渡し時に支払うことが一般的です。

また、不動産会社にもよりますが、仲介手数料も契約時と引き渡し日の2回に分けて支払いが発生することもあります。

 1-3-1.建物の設計プランが完了したら「建築請負契約」

敷地が決まったら、設計プランを進めます。施工会社を2~3社に絞り込み、設計プランと見積もりを比較して、どの会社と契約するのかを決定しましょう。

設計プランを進める際に、施工会社は敷地調査を行います。敷地調査は、土地の広さや高低差などの形状、電気・ガス・上下水道などのインフラ状況、法的規制など、設計を行うために必要な調査です。

建築の依頼先を決定し家の設計が完了したら、建築請負契約を結びます。工事請負契約書には、決定した最終プランの「設計図書」「見積書」が添付されます。

契約書一式はできれば事前にコピーをもらい、じっくりと目を通し、疑問点は契約前に確認しておくことが大切です。

また、家を建てる位置が決定しないと正確な地盤調査はできないため、基本的にはこのタイミングで調査を行います。営業段階では、周辺建物のデータなどから推定される地耐力で設計を行っています。一部のハウスメーカーなどでは営業段階に仮の地盤調査を行い、設計完了後に再度調査することもありますが、費用は余分にかかることになります。

地盤の強さが十分でない場合は、地盤改良工事などが必要です。

 1-3-2.建築確認済証の交付を受ける

完成したプランに基づき、施工会社もしくは協力設計事務所が建築確認申請の書類一式を作成します。その書類を、行政または民間の指定確認検査機関に提出します。

確認されることは、建築計画が法規に沿って行われているかどうかです。
法規をクリアしていれば、建築確認済書が交付され建築工事の着工となります。

 1-4.【期間:~1年2ヵ月】住宅ローンを組む

金利や融資条件を比較し、自分にとって有利な住宅ローンを選びましょう。土地と建物のローンが一緒に組めるか、つなぎ融資(※)が可能かどうかも重要なポイントです。

※通常住宅ローンがおりるのは、建物が完成してからです。土地購入費用や分割で支払う工事代金などが自己資金でカバーできない場合は、家を建てる前に資金を一時的に融資してくれる「つなぎ融資」が必要になります。

主な住宅ローンの特徴は以下の通りです。

【銀行ローン】

変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型など、金融機関によってさまざまな商品が設定されています。現在主流になっている「固定金利選択型」は、契約時の金利が一定期間固定され、固定期間を過ぎたらその時点の金利で再び固定するか、変動金利に変更するかを選べます。

【フラット35】

低金利の現在、最長35年の固定金利が特徴の「フラット35」。住宅金融支援機構が民間の金融機関を窓口として提供しているローンです。公的融資と民間融資の中間的な性格を持っています。融資条件は共通で定められていますが、金利は取り扱い金融機関によって異なります。

【財形住宅融資】

財形住宅融資は、勤務先で財形貯蓄をしている方向けの公的融資です。5年ごとに金利を見直す、5年間固定金利制の融資となっています。

申し込むローンを決めたら、書類をそろえましょう。

本審査を受け審査に通過したら、金融機関とローン契約を締結します。

1-4-1.着工

ローン契約が終わったら、建築工事の着工になります。着工の際には、地の神を鎮め、工事の安全を祈願する地鎮祭を行いましょう。

注文住宅の工期は施工会社によって差があり、2~6ヵ月程度です。工事中は現場に足を運んで、工事の過程を確認しましょう。

骨組みが完成して棟が上がったら、上棟式を行います。また工事途中では、行政または指定確認検査機関による中間検査が行われます。

1-5.【期間:~1年6ヵ月】引き渡し・入居

工事が完了したら、建築確認申請通りに建物が施工されているかを確認するため、行政または民間の指定確認検査機関による「完了検査」が行われ、「検査済証」が交付されます。

また、完了検査とは別に、施工会社の担当者と施主立会いで「竣工検査」を行います。建物の汚れや傷、図面や仕様書通りにできているかをチェックし、手直しがある場合は、いつまでに直すかを打ち合わせすることが可能です。

不具合などの修正が終わったら、いよいよ引き渡しとなります。家の鍵や設備器具などの保証書を受け取り、引っ越しが終われば夢のマイホーム暮らしのスタートです。

引き渡し後には住宅ローンが実行され、工事費の残金を支払います。

2.注文住宅の打ち合わせ内容

注文住宅では、間取りから設備など完成までに決めないといけないことがいくつもあります。設計や仕様を決める打ち合わせだけでも、通常5~10回ほど行い、1回あたり2~3時間程度かかることが一般的です。

打ち合わせ前には、優先順位や要望を整理しておくことをおすすめします。
ハウスメーカーや工務店との打ち合わせ内容を項目別に紹介します。

※打ち合わせ回数はあくまでも目安です。計画内容も施工会社により異なります。

2-1.設計打ち合わせ

打ち合わせ目安回数:2~5回

はじめに間取りやデザインについての希望や、ライフスタイルなどのヒヤリングを行います。そのヒヤリング内容と敷地調査の結果に基づき、ハウスメーカーや工務店の設計者が、敷地への配置、間取り、立面などの基本設計を行います。

提案された基本設計の修正箇所を打ち合せを行い、理想の住まいへと設計を仕上げていきます。

2-2.仕上げ打ち合わせ

打ち合わせ目安回数:2~5回

仕上げの打ち合わせでは、外装仕上げ、床、壁、天井などの内装仕上げ、キッチン、浴室、洗面などの設備器具の仕様と色を決めます。内容によっては、設計の打ち合わせの際に一緒に行う場合もあります。ハウスメーカーや工務店が用意するカタログやサンプルの中から選んだり、設備などはメーカーのショールームに足を運んだりします。

着工後でも間に合うものについては、建築中の打ち合わせになりますが、着工前に全て完了させる施工会社もあります。

2-3.外構打ち合わせ

打ち合わせ目安回数:1~3回

外構打ち合わせは、門扉、ガレージ、塀、造園など家の外まわりについての打ち合わせをします。建物と同時に工事する部分については、建物設計の打ち合わせの際に一緒に行う場合があります。

庭の植栽など建物完成後に行う工事の詳細については、着工後の打ち合わせになることも多いです。

3.注文住宅の支払いの流れ

契約から完成までの支払いの流れを把握しておきましょう。自己資金、つなぎ融資、住宅ローンから支払う費用を整理し、資金が不足しないよう計画することが大切です。

3-1.土地

住宅を建てるための土地を購入する場合、金融機関によっては、土地・建物セットでローンの借り入れが可能です。ただし、通常ローンがおりるのは建物の引き渡しの時なので、土地代金は「つなぎ融資」を利用して調達することが一般的です。

時期 支払い金 資金
土地売買契約時 手付金通常土地代金の10% つなぎ融資または自己資金
土地引き渡し時 土地代残金 つなぎ融資または自己資金

3-2.建物

建物の工事費は、計画の進行に合わせて4回に分けて支払うのが一般的ですが、建築会社によって、支払いのタイミングと金額が異なる場合があります。

時期

支払い金

資金

施工請負契約時

契約金 工事費の10%

つなぎ融資または自己資金

着工時

着工金 工事費の30%

つなぎ融資または自己資金

上棟時 

中間金 工事費の30%

つなぎ融資または自己資金

引き渡し時

工事費の残金

住宅ローンで決済

3-3.諸費用

諸費用は細かい出費の積み重ねです。
余裕を持った資金計画が必要となります。

【注文住宅の主な諸費用】

土地購入

仲介手数料:不動産会社に支払う

上限は【物件価格×3%+6万円+消費税】

住宅ローン

借り入れ費用

事務手数料:金融機関によるが2万~10万円が一般的

団体信用生命保険料:銀行ローンの場合は金利に含まれるのが一般的

火災保険料:融資条件になっている場合が多い。20~30万円程度が目安

保証料:一括と分割あり。分割の場合は金利に上乗せされる

登記費用

(*登録免許税)

抵当権設定登記:借入額×0.4%

土地所有権移転登記:土地評価額×2%

新築建物所有権保存登記:建物評価額×0.4%

その他

不動産取得税、建築確認申請費用、地盤調査費用、契約書印紙代、地鎮祭費用、上棟式費用など

*登録免許税:土地は2019年3月31日までの登記、抵当権と保存登記は2020年3月31日までに取得した住宅で、一定要件を満たした場合、軽減措置の適用があります。また、登録免許税以外に司法書士に支払う手数料が必要です。

注文住宅の流れを把握して段取りの参考にしよう!

注文住宅完成までの流れがイメージできたでしょうか。

家づくりは人生の一大イベントです。

後悔のないように、 まずは計画から完成までの大きな流れを把握して、ひとつずつ着実に段取りしていきましょう。

まとめ

  • 無理のない資金計画と「理想の住まい」を考えることからはじめる
  • 土地探しと建築の依頼先探しは同時進行で行う
  • 要望の優先順位を決めてから、建築の打ち合わせに臨む
  • 土地費用、建築費用、諸費用、それぞれ支払いのタイミングが異なる