マンション購入費用はいくら掛かる?新築と中古の比較や諸経費を解説

マンションを購入する場合、物件価格にばかり目が行きがちですが、諸費用も含めた総額で検討する必要があります。

新築と中古では税制面の優遇措置にも違いがあり、安いと思って中古マンションを選んだにも関わらず想像以上に支払額が高くなってしまった、ということにもなりかねません。

これから新築と中古の購入費用を、主に諸経費の面から比較し解説していきます。
マンションを購入する際の検討材料としてお役立てください。

1.新築・中古マンションの特徴

マンション購入を考えている人にとって、新築と中古のどちらを選べばよいかは大きな問題です。まずは新築と中古の特徴を、しっかりと押さえておきましょう。

【新築の特徴】

  • 建物や設備が最新でセキュリティ面が高い傾向にある
  • 安全性・耐震性に優れている
  • 基本的に仲介手数料の必要がないため、中古購入より諸費用が安い(※同条件で購入する場合)
  • 住宅ローン控除など、税金の優遇制度の要件が中古よりも緩い
  • 住民コミュニティをゼロから作れる

【中古の特徴】

  • 築年数が古いとセキュリティ面が低い傾向にある
  • 新築に比べて価格が安い
  • 立地条件のよい物件を選べる可能性が高い
  • 購入前に実際の部屋の状況や、日当たりなどを確認できる
  • 購入前に実際の部屋の状況や、日当たりなどを確認できる
  • 価格が安価な分、リフォーム費用に使える

1-1.購入の目安は年収の7倍

住宅購入の目安として、昔から「年収倍率」という基準が使われてきました。

年収倍率とは、マンション価格が年収の何倍に相当するかを表す数値です。

物件価格 ÷ 年収 = 年収倍率

一般に安全な倍率は、年収の5倍以内といわれてきましたが、近年は上昇傾向にあります。2018年に住宅金融支援機構が行った調査では、2017年にフラット35でマンションを購入した世帯の倍率は、新築6.9倍、中古5.6倍となっています。

参考元:住宅金融支援機構 2017年度フラット35利用者調査

もちろんライフプランによって購入価格の目安は変わりますが、年収の7倍を新しい基準と考えておいて問題はないでしょう。

2.マンション購入に掛かる費用の内訳

マンションを購入する場合の総費用は、次のとおりです。

借入れ総額を減らすために、頭金を用意するのが一般的です。

頭金の理想は購入価格の20%以上ですが、新築マンションの場合は、そのお金を売主に手付金として支払うことになります。手付金は購入価格の5%~10%が一般的です。

契約破棄などがなくスムーズに取引が完了すれば、手付金はそのまま頭金として充当されることになります。

また、諸費用については次のとおりです。

【購入時】

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 住宅ローン保証料
  • 団体信用生命保険料
  • 火災保険料・地震保険料
  • 登録免許税(※司法書士に依頼する場合はその報酬)
  • 固定資産税の清算金
  • 都市計画税の清算金
  • 修繕積立基金
  • 管理準備金
  • 消費税

【購入後】

  • 不動産取得税
  • 修繕積立金
  • 管理費
  • 引越し代
  • 家具代
  • 設備使用料
  • リフォーム・修繕費用

3.新築と中古の費用面での違い

マンション購入の諸費用は、新築5%、中古8%がおおよその目安となります。中古は税制優遇の条件が厳しいことや、仲介手数料が掛かる分、諸費用は新築より高くなる傾向にあります。

3-1.購入時

経費は購入時に用意するものがほとんどですので、事前にきちんと支払う内容を把握しておく必要があります。これから順番に、購入時と購入後に掛かる主な経費について解説します。

3-1-1.修繕積立基金・管理準備金

入居後には、長期的な大規模修繕工事に向けた修繕積立金と、共用部の小規模な修繕や設備の維持のための管理費を、毎月支払わなければなりません。

新築を購入した場合は、そういった費用の月々の負担を減らすために、修繕積立基金」「管理準備金」を購入時にまとめて支払う必要があります。

中古では購入時に修繕積立基金・管理準備金を支払う必要はありません。ただし、年数が経つほど毎月支払う修繕積立金が上がる方式が一般的なので、毎月の負担は中古の方が高くなる傾向にあります

3-1-2.消費税

マンション購入は金額が大きいので、8%の消費税も気になるところです。

消費税は建物に対して掛けられる税金で、土地には発生しません。
売主が個人の場合も消費税はありませんが、不動産会社が売主であれば消費税が必要です。

新築は通常、不動産会社からの購入になるので、消費税が発生します。
逆に中古は売主が個人の場合が多いので、消費税が発生しないケースがほとんどです。

中古であっても売主が不動産会社であれば、消費税を払う必要があるので注意しましょう。

また、仲介手数料にも消費税が発生するため、仲介業者を通した場合はその分の税が加算されることになります。

3-1-3.仲介手数料

基本的に新築は不動産会社が売主なので、仲介手数料は発生しません。(※仲介業者が別にいる場合は必要)

中古は売主が個人の物件がほとんどですので不動産会社が重要事項説明等の仲介業務を行います。その場合、仲介手数料を払う必要があります。
(※不動産会社が売主の場合は必要なし)

仲介手数料は宅地建物取引業法の規定によって、下記の金額を上限として計算されます。

価格

仲介手数料の上限

~200万円

5%(+消費税)

200万円超~400万円

4%+2万円(+消費税別)

400万円超~

3%+6万円(+消費税別)

■400万円を超える物件の場合

物件価格 × 3% + 6万円 = 仲介手数料(+消費税別)

3-1-4.住宅ローン控除

住宅ローンを10年以上の期間で利用した場合、入居から10年間、年末時のローン残高1%を所得税から控除することができます。所得税よりも控除額の方が多い場合は、残りを住民税から差し引いてもらうことが可能です。

新築の場合の控除を受ける主な要件

  • 住宅購入のための借入であること
  • 床面積50㎡以上
  • 購入後6ヶ月以内に入居、その年の12/31まで住み続けること
  • 世帯所得が3,000万円以下

中古の場合は上記に加え下記の要件を満たす必要がある

  • 建築日と購入日までの期間が20年以下
  • 耐震基準に適合していること

新築の控除額の上限は一般住宅で40万円(優良住宅は50万円)ですが、中古は上限が20万円に制限されています。

3-1-5.不動産取得税額

マンションを購入した際には、不動産取得税を支払う必要があります。これは購入時にのみ発生する税金で、毎年支払う必要はありません。

住宅ローン控除のように、一定の要件を満たしている場合は、不動産取得税にも減額制度があります。

■要件

  • 床面積が50㎡~240㎡以下
  • 昭和57年1月1日以降に新築されているか、新耐震基準に適合していること
  • 居住用に購入した住宅であること

■新築の場合

(固定資産税評価額−控除1,200万円)×3%=不動産取得税

■中古の場合

新築の控除額は1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)ですが、中古は建築年数によって控除額が変わってきます。

※参考元:東京都主税局 不動産取得税

控除額は、各都道府県によっても異なる場合があるため確認が必要です。

3-1-6.登記費用

マンションを購入または建築したら、所有権が自分にあることを証明できるように、法務局に登記をする必要があります。(※登録自体は法的な義務はありません)

その登記に掛かる税金が「登録免許税」です。

また、2020年3月31日までに登記する物件に対しては、下記の減額制度が適用されます。

  • 所有権保存登記:0.4% → 0.15%
  • 所有権移転登記:2% → 0.3%
  • 抵当権設定登記:0.4% → 0.1%

3-2.購入後

購入時だけでなく、購入後にも支払わなくてならない諸経費があります。管理費や修繕積立金、駐車場などの設備使用料は毎月支払わなくてはいけない費用です。
なかでも1番金額の大きい、固定資産税(都市計画税)とリフォーム・修繕費について解説していきましょう。

3-2-1.固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、不動産を所有していれば、毎年必ず支払わなくてはいけません。

固定資産税は毎年1月1日時点で、不動産を所有している人が支払う費用です。
仮に7月に購入したら、その年の税金は所有者が支払い、7月以降分を買主が所有者に清算する形が一般的です。

都市計画税は市街化区域にある不動産に掛かる地方税で、固定資産税にプラスされる形で支払います。

■固定資産税の税額計算式

課税標準(固定資産税評価額) × 1.4% = 固定資産税額

■都市計画税の税額計算式

課税標準(固定資産税評価額) × 0.3% = 都市計画税額

※税率は各都道府県によって異なります。

固定資産税と都市計画税にも、減額制度があります。

【土地】

  • 固定資産税:200㎡以下の場合、課税標準 × 1/6 × 1.4%
  • 都市計画税:200㎡以下の場合、課税標準 × 1/3 × 0.3%

【建物】

  • 固定資産税:平成32年3月31日までの新築で3階建以上の耐火・準耐火住宅の場合に適用される。5年間1戸あたり120㎡まで、固定資産税が1/2に減額される。中古は減額されない
  • 都市計画税:基本的に建物に対しての減額はなし

3-2-2.リフォーム・修繕費

年月の経過に伴い、必ず必要になるのが、リフォーム・修繕費用です。
新築であれば購入してすぐに必要になる費用ではありませんが、中古であれば壁紙や畳などの修繕がすぐに必要という場合があるかもしれません。

2017年にリクルート住まいカンパニーが行ったアンケートによると、2017年のマンションリフォーム費用の平均額は、539.9万円という結果が報告されています。
間取りの変更の他にも、浴室やトイレなどの水回りリフォームが多く、設備機器の劣化などから、リフォームをやらざるを得ない状況が発生していることが分かります。

※参考元:リクルート 2017年大型リフォーム実施者調査

4.新築と中古の購入費用をシミュレーション

実際に新築と中古のマンションを購入した場合の、諸経費のシミュレーションをして、年収に対してどのくらいの負担になるのかを検証します。

4-1.新築|年収600万円の場合

  • 新築マンション4,500万円(建物3,000万円、土地1,500万円)
  • 固定資産税評価額:建物1,800万円、土地1,000万円

【購入時に必要な金額一覧】

※参考元:楽天銀行 住宅ローンを選ぶポイント

4-2.中古|年収400万円の場合

  • 中古マンション2,400万円(建物1,300万円、土地1,100万円)
  • 固定資産税評価額:建物650万円、土地750万円

【購入時に必要な金額一覧】

※参考元:楽天銀行 住宅ローンを選ぶポイント

マンション購入は自身のライフプランに合わせて検討しよう

新築と中古の購入費用シミュレーションの結果を見て、必要な諸経費の金額の大きさに驚かれた人も多いのではないでしょうか。価格を抑えた中古マンションでも、諸経費としてほぼ年収分を事前に準備しなくてはなりません。

購入時の負担を減らすために、頭金なしのフルローンを利用するのもひとつの方法です。頭金がない分月々の返済額は大きくなりますが、現在の低金利下では、経費を貯蓄する間に払う家賃よりも、支払額が少なくて済む場合も十分に考えられます。

費用が工面できそうにない場合は、無理をせずに条件を落として、さらに価格の安い中古物件を探すという方法もあります。

マンション購入はあくまでも、無理のない範囲で支払いを続けられるように、自身のライフプランに合わせて検討することが大切です。

まとめ

  • マンション購入の上限は年収の7倍までが理想
  • 頭金と消費税の金額が特に大きい
  • 各種税金には減額制度がある
  • 諸経費は最低でも年収分を事前に準備しておく必要がある
  • 自身のライフプランに合わせて、無理のない購入方法を検討する