【中古マンション購入の注意点】知るべき基礎知識や後悔しない選び方

新築マンションと比べて価格が安く、豊富な物件の中から現物を見て選べるのが魅力の中古マンション。また、中古マンションをリノベーションして、自分らしい住まいを手に入れる方も増えています。一方で、耐震性や老朽化について不安を感じる方もいるでしょう。
ここでは、中古マンションの選び方や購入の注意点を詳しく解説します。

1.  中古マンションを購入する魅力とは

新築マンションと比べ、中古マンションの魅力は価格の安さと供給数の多さです。

1-1.新築マンションよりも物件価格が大幅に安い

2018年の首都圏のマンション価格のデータでは、新築マンションは平均価格5,871万円ですが、中古マンションの平均価格は3,333万円。中古マンションは新築マンションの5~6割の価格となり、大幅に安いといえます。

首都圏 マンション平均価格 2018年1月〜12月

(単位:万円)

新築マンション

中古マンション

東京23区内

7,142

4,479

東京23区外(都下)

5,235

2,686

神奈川県

5,457

2,881

埼玉県

4,305

2,130

千葉県

4,306

2,041

首都圏平均

5,871

3,333

参考 不動産経済研究所 「首都圏マンション市場動向 2018年」
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/358/s2018.pdf

参考 東日本不動産流通機構(レインズ)「首都圏不動産市場の動向 2018年」
http://www.reins.or.jp/

1-2.種類豊富で物件を選べる幅が広がる

新築マンションと中古マンションでは、供給戸数も大きく違いがあります。2018年に首都圏で供給された新築マンションは約3.7万戸ですが、中古マンションは約20.6万戸。5倍以上もの選択肢から物件を選ぶことができるのです。絶対数が多いぶん、駅近などの立地条件が良い物件が多いのも魅力です。 

新築マンション供給戸数

中古マンション新規登録数

東京23区内

15,957

102,072

東京23区外(都下)

3,666

16,343

神奈川県

8,212

50,192

埼玉県

4,294

22,517

千葉県

5,003

15,777

首都圏合計

37,132

206,901

参考 不動産経済研究所 「首都圏マンション市場動向 2018年」
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/358/s2018.pdf

参考 東日本不動産流通機構(レインズ)「首都圏不動産市場の動向 2018年」http://www.reins.or.jp/

2.中古マンション購入前に知っておきたい基礎知識

中古マンションを購入する前に知っておきたい、価格や税制度についての基礎知識を整理してみましょう。

2-1.築年数が長くなるほど低価格になる

中古マンションと一口にいっても、「築浅」のものから築30年を超えるものまで幅広い物件があります。築年数と物件価格の関係はどうなっているのでしょう。

東日本不動産流通機構の2017年のデータによると、中古マンションの平均成約価格は次のようになっています。

  • 築5年以下   → 5,000万円台
  • 築6~15年   → 4,000万円台
  • 築16~20年 → 3,000万円台
  • 築21~25年 → 2,000万円台
  • 築26年超  → 1,000万円台

築5年までは新築と大きく変わらない価格で、築15年を過ぎると5年古くなるごとに1,000万円ずつ平均価格帯が下落しています。

築26年を超えるとほぼ横ばいとなるため、一般的な中古マンションは築25年でほぼ底値になるといえるでしょう。

参考 東日本不動産流通機構(レインズ)「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」
http://www.reins.or.jp/

2-2.新築同様に住宅ローン減税制度が適用される

住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、所得税や住民税の控除が受けられるのが「住宅ローン減税」という制度です。「住宅ローン控除」ともいわれます。

住宅取得から10年間は、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%が所得税の額から控除されるのです。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部控除されます。

中古マンションも一定の条件を満たせば、住宅ローン減税が適用されます。

【住宅ローン減税の概要】

最大控除額 400万円(40万円×10年間)
控除率、控除期間 1% 10年間
住民税からの控除上限額 13.65万円/年(前年課税所得×7%) 

【住宅ローン減税の主な要件】

  • 自ら居住すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 耐震性能を有していること(中古住宅の場合)
  • 借入金の償還期間が10年以上であること
  • 年収が3000万以下であること

上記のうち、耐震性能については中古住宅のみが対象となる要件です。中古マンションの場合は、「築25年以下」または「現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅」のどちらかにあてはまる必要があります。現行の耐震基準に適合していることの確認には、公的な証明書である「耐震基準適合証明書」「既存住宅性能評価書」などが必要です。 

2-3.税金「固定資産税」の負担

毎年1月1日の時点で不動産を所有している人が支払う「固定資産税」。
不動産取得税とは違い、毎年払わなければならない税金です。中古マンションの場合は、固定資産税の税額に影響はあるのでしょうか?

固定資産税の税額は以下のように計算されます。

課税標準額×標準税率(1.4%)=固定資産税

課税標準額は、固定資産課税台帳に記載された不動産の「固定資産税評価額」から算出されます。土地と建物に分けて評価額が決められますが、建物については経年劣化によって資産価値が下がることを考慮して補正され、中古の方が新築時より評価額が下がるのです。ただし新築住宅は、新築時から5年間は建物の課税標準額を1/2にする軽減措置があるため、購入当初の固定資産税は低く抑えられます。

新築マンションの場合は、マンションを購入した時点では課税標準額は決定されていませんが、中古マンションの場合は、売り主や仲介会社に確認すれば現在の課税標準額を調べることができるでしょう。

通常、中古マンションを購入した場合は、固定資産税の清算をおこないます。納税は1月1日時点での所有者である売主がおこないますが、マンションの引き渡し日以降の固定資産税を日割りで計算し、買主が負担するのが一般的です。

なお、都市計画区域内のマンションの場合は、固定資産税と一緒に「都市計画税」も徴収されますので、固定資産税と同様の清算をおこないます。

3.【注意点】中古マンション購入の選び方

数ある中古マンションから、どうやって物件を選べばいいのでしょうか。中古マンション選びの注意点をみていきましょう。

3-1.適正価格かどうか比較検討する

候補の物件が見つかったら、同じエリアの中古マンションの価格相場と照らし合わせて、物件価格が適正かどうかをチェックしましょう。中古マンションの相場は、不動産情報のポータルサイトや情報提供サイトで情報収集できます。希望エリアの不動産屋を訪れてみてもいいでしょう。

ポータルサイトには、借地権の物件や訳あり物件など、極端に相場より安い物件が掲載されている場合もあります。複数の物件と比較しましょう。

【代表的な不動産ポータルサイト、情報提供サイト】

SUUMO(スーモ)
at home (アットホーム)
HOME’S (ホームズ)

■不動産取引情報提供サイトhttp://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

3-2.リフォーム前とリフォーム後どちらが理想的か考える

リフォーム前物件とリフォーム後物件、どちらを選べばいいかは住まい選びの優先順位によって変わってきます。

間取りやデザインへのこだわりがある方や、壁の塗り替えなどリフォームの一部をDIYしたい方は、リフォーム前物件がおすすめです。ただし、リフォーム工事はマンション購入後でないと着手できないので、すぐに入居できないデメリットや仕上がりのイメージ違いなどのリスクもあります。

リフォーム前の物件を選ぶ方向けに、マンション購入とリフォーム費用をまとめて借りられる一体型の住宅ローンも用意されています。通常のリフォーム単独ローンよりも金利が低く、リフォーム費用を合わせた金額で住宅ローン減税の控除も受けることができます。

リフォーム後物件は、契約後すぐに入居できるのが魅力です。契約前に物件の最終的な状態を、目で見て確認できるのも安心ですね。

3-3.「重要事項説明書」を熟読しておく

「重要事項説明書」は購入するマンションや契約についての重要事項が記された書類です。売買契約のときに、宅地建物取引主任者が内容を説明することが義務づけられています。

重要事項説明書は仲介会社に依頼すれば、売買契約の前にコピーをもらえます。事前に入手してじっくり読んでおきましょう。
ここでは基本的な記載事項と特に注意したいポイントをご紹介します。

3-3-1.購入するマンションについて

【売買物件の基本情報】

物件の登記簿謄本と照らし合わせて、住所、所有権者名などに間違いがないかを確認します。

【法令に基づく制限】

物件が都市計画法や建築基準法、その他の法令によりどんな制限を受けているかが記載されています。

【電気、水道、ガス、排水について】

電気、水道、ガス、排水などインフラの利用状況が書かれています。

【専有部分に関する使用制限・専用使用権など】

ペット飼育、リフォームの際にフローリングにできるか、楽器などの音響機器の使用制限について確認します。また、ルーフバルコニー、専用庭、駐車場、駐輪場の有無や空き状況、使用料もチェックしましょう。

【修繕積立金・管理費について】

マンションの修繕積立金や管理費の金額や、延滞額が確認できます。修繕積立金の延滞額は、売買物件の専有部分の延滞額とマンション全体の延滞額が記載されています。マンション全体の延滞額が小さいほど、健全な管理状況にあるといえます。

【管理について】

管理組合から管理を委託されている管理会社の情報などを確認します。

3-3-2.売買契約について

【支払い総額と内訳】

総額の物件金額と、内訳である土地価格、建物価格、消費税相当額が記載されています。消費税が適用されるのは建物価格のみです。また手付金や、固定資産税、管理費、修繕積立金の精算についても書かれています。

【契約の期日】

手付金を放棄することで契約を解除できる「手付解除期日」や、住宅ローンの審査が通らなかったときに契約を解除できる「住宅ローン特約期日」、決済日、引渡し日などを確認します。

3-3-3.その他

最終ページの「その他」の欄には、過去にあった事件・事故や周辺環境についての特記事項が書かれている場合があります。忘れずに確認しましょう。

3-4.資産価値が落ちにくい物件かどうかチェックする 

転勤や家族構成の変化などの理由で、購入したマンションを将来手放す可能性もあります。そんなときのために、資産価値の落ちないマンションを購入したいものです。

マンションの資産価値はリフォームでは直せない立地条件、部屋の日当りや眺望、管理状況などで決まります。

【立地条件】

駅からの距離、最寄り駅から都市部へのアクセスの良さ、スーパーやコンビニなどの周辺施設、災害に強い土地か、などがポイントになります。特に駅からの距離は重要で、徒歩10分以内がひとつの目安です。

【眺望・日当り】

部屋の水廻りの設備や内装はリフォームで変えられますが、眺望や日当りは変えられません。物件の人気を左右する条件でもありますので、きちんとチェックしておきましょう。

【管理状況】

適正な管理がおこなわれているかどうかで、マンションの寿命は大きく変わってきます。現状の建物の痛み具合、修繕の計画や過去の修繕記録、管理組合や理事会の運営状況、修繕費の積立状況などを確認しておきましょう。

建物の痛み具合は素人には判断しにくいことから、マンション購入前にプロによる「ホームインスペクション(住宅診断)」を受けることもおすすめです。

3-5.新耐震基準の物件かどうかチェックする 

中古マンションの購入にあたり、建物の安全性の確認は非常に重要です。ひとつのチェックポイントとして、新耐震基準に適合しているかどうかがあります。1981年6月に施行された建築基準法の大改正により、「震度6~7の大規模地震でも倒壊を免れること」という新たな耐震基準ができました。

1981年6月に以前に建築確認をとっている場合は、旧耐震基準の物件になります。マンション完成が1982年であっても旧耐震基準物件は存在しますので、ご注意ください。また、旧耐震基準のマンションでも耐震診断を実施し、必要に応じて耐震補強をおこなった場合は、新耐震基準を満たしている場合もあります。

一般論としては新耐震基準に適合しているほうが安心ではありますが、実際は物件ごとにどのような耐震設計をしているか、どんな地盤に建っているかで、建物の耐震性は変わってきます。

3-6.自分の目で現地をしっかり見ておく 

中古マンション購入のメリットのひとつに、「現物を見て買える」ことがあります。自分の目で現地をしっかり見ておきましょう。

専有部分の物件内部を細かく確認するほか、共有部分の管理の状況、住民のマナーや周辺の騒音や振動、隣接している道路の交通量などもチェックします。また、マンションでは上下左右にトラブルになりそうな人が住んでいないかも気になるポイントです。可能であれば、管理人や住民にヒアリングし、外からわかる範囲で玄関やバルコニーなどの様子を見てみましょう。

4.中古マンション購入の流れ

最後に中古マンション購入の標準的な流れを見てみましょう。

1.資金計画
頭金や月々の支払い可能額などから、住宅ローンのシミュレーションをおこない、資金計画を立てます。

2.情報収集・現地見学
希望する物件の条件を整理して、WEBサイトや情報誌などで情報を収集します。条件と予算にあった物件が見つかったら、不動産会社に問い合わせのうえ現地を見学します。

3.物件決定・申込み
物件を決定し、申込金を支払います。

4.住宅ローン仮審査(事前審査)
金融機関に住宅ローン仮審査を申込みます。

5.売買契約
仮審査に通ったら、重要事項説明を受けて売買契約書を交わし、手付金を支払います。
通常、仲介手数料の半額もしくは全額を売買契約時に支払います。

6.住宅ローン本審査・契約
金融機関に住宅ローンを申し込み、本審査後にローンを契約します。

7.登記・決済
物件の登記をおこない、残金の決済をします。

8.引渡し

注意点をふまえた上で価値ある中古マンションを購入しよう

建物が建つ前に購入を決めるのが当たりまえの新築マンションに比べ、中古マンションは現在の建物や管理の状況を、自分の目で見て購入できるのが大きな魅力です。そのメリットを活かすためにも、注意点をふまえてしっかり確認をおこない、将来的にも資産価値の下がらない中古マンションを購入しましょう。

まとめ

  • 中古マンションの魅力は安さと物件の豊富さ
  • 築年が古くなるほど安くなる
  • 重要事項説明書を熟読する
  • 自分の目で現地をしっかり見る
  • 資産価値が下がりにくい中古マンションの購入がおすすめ